【ジオ用語解説】Project PLATEAU
Project PLATEAU(プラトー)は都市のデジタルツインの社会実装を目的としたプロジェクトで、国土交通省が地方公共団体や民間企業、地域コミュニティなどと連携しながら進めています。
デジタルツインとは現実世界の情報をデジタル空間上に再現してシミュレーションや分析を行う技術で、Project PLATEAUでは、このデジタルツインを都市の規模で行うための基盤となる「3D都市モデル」のデータを整備してオープンデータ化し、そのユースケースを開発することでさまざまな分野における活用の促進に取り組んでいます。同プロジェクトは2021年3月に正式スタートし、2024年度までに3D都市モデルの整備範囲は全国約250都市に拡大しています。
3D都市モデルとは、建物や道路、構造物など都市に存在するさまざまな地物の3次元形状に属性情報を付与した地理空間データで、これをデジタル空間上で可視化することにより、現実世界と似た空間を再現することができます。3D都市モデルの整備自体は自治体が行っており、Project PLATEAUではデータの扱いやすさやコストパフォーマンス、流通性、空間IDや不動産IDなど他のデータとの連携性などを高めるための技術開発を行っています。
同プロジェクトは2025年度も引き続き、地方公共団体や民間事業者、地域コミュニティなど多様なプレイヤーの取り組みを支援し、3D都市モデルの整備・活用・オープンデータ化を推進する方針です。具体的には、データカバレッジの拡大やユースケースの開発・社会実装、3D都市モデルの活用コミュニティの形成、オープン・イノベーションの創出、3D都市モデルの整備・活用に係るエコシステムの構築などをテーマとして27件のプロジェクトを採択しました。このうち地方公共団体は52事業・約80都市が参画し、データ整備範囲は約300都市に拡大する予定です。
Project PLATEAUでは、ウェブブラウザ上で3D都市モデルを可視化できるGIS(地理情報システム)として「PLATEAU VIEW」を提供しています。PLATEAU VIEWでは3D都市モデルを表示し、さまざまな地理空間情報を重ねて表示することが可能です。2025年にリリースされた最新版の「PLATEAU VIEW 4.0」では、空間IDを可視化して特定エリアの属性情報やCityGMLファイルを取得できる機能や、地域メッシュからCityGMLをダウンロードする機能が追加されています。

また、Project PLATEAUの公式ウェブサイトでは、ユースケースの紹介(https://www.mlit.go.jp/plateau/use-case/)、3D都市モデル導入を支援するためのマニュアルや技術資料などガイドブックやソースコード(https://www.mlit.go.jp/plateau/libraries/)、アプリケーションを作る際のチュートリアルや表現のTips(https://www.mlit.go.jp/plateau/learning/)なども公開されています。このほか、一般社団法人社会基盤情報流通推進協議会(AIGID)が事務局となり、PLATEAUに関する産学官連携のプラットフォーム「PLATEAUコンソーシアム」(https://www.mlit.go.jp/plateau/consortium/)も設置されています。
さらに、Project PLATEAUでは年間を通して以下のようなさまざまなイベントを開催しています。
Project PLATEAUのさまざまな取り組み
PLATEAU AWARD
3D都市モデルの開発コンテストで、多様な領域のエンジニアやクリエイターによる3D都市モデルのデータを活用した作品を募集しています。
PLATEAU Hack Challenge
3D都市モデルの可能性を引き出すことを目的としたハッカソンイベント。2025年度は国土交通省主催のイベントとして、PLATEAUを使った開発に始めて挑戦する人向けのオンラインイベント「PLATEAU Hack Challenge 2025 for ルーキー」、東京会場で開催する「PLATEAU Hack Challenge 2025 in Tokyo」、自治体と市民が協力して地域課題解決に取り組むハッカソン「PLATEAU CityHack Challenge」の3タイプのイベントが開催されます。2025年度にはこのほかに日本各地で地域協力によるハッカソンやアイデアソン、学生を対象とした関西エリアでのアイデアソンも開催されます。
PLATEAU LT
PLATEAUの3D都市モデルを活用する個人や企業、自治体などに向けたライトニングトーク(短時間のプレゼンテーション)のイベントで、2025年度には7月と11月の2回開催される予定です。
PLATEAU Hands-on
PLATEAUでどのようなことができるのかを学べるハンズオンワークショップです。