大人も子供も楽しめる! 地図や測量の技術や歴史が学べる「地図と測量の科学館」訪問レポート

日本唯一の国家地図作成機関である国土地理院。茨城県つくば市にある国土地理院の敷地内には、地図と測量に関する展示を行う「地図と測量の科学館」があります。

地図と測量の科学館入り口。6月3日の「測量の日」イメージキャラクターである「マッピーくん」がお出迎え

展示はイラストがふんだんに使われ、ルビも振られているなど子供にもわかりやすい内容ですが、子供だけでなく大人も思わず引き込まれる展示がたくさん。今回はそんな地図と測量の科学館の見どころをご紹介します。

日本列島の大きさと体感できる巨大地図

館内の床に広がるのは、10万分の1の縮尺で描かれた日本地図の上を自由に歩ける「空中散歩マップ」。この地図の1mは100kmに総投資、身長が150cmの人であれば上空150kmの宇宙から見下ろしている気分が味わえます。

空中散歩マップ

地図のそばに置かれている青色と赤色のメガネをかけると、地図を立体的に見ることもできます。

空中散歩マップのそばには、地図で用いられる記号のクイズも。大人にとっては習ったけど思い出せない……、というような記号ばかりですが、今まさに学校で習っている子供たちはすいすい答えていきます。

記号あてクイズ。記号をめくると答えがわかります

外に出ると今度は大きな日本列島の模型。こちらは高度300kmの人工衛星から見下ろしたのと同じ高さで、地球の丸さや日本の広さが実感できます。

直径約22mの「日本列島球体模型」

模型の周りにはいくつもの札が立ててあり、海外や宇宙との距離を疑似体験できます。下の写真は日本列島とブエノスアイレスとの距離を擬似的に再現したものです。

日本列島からブエノスアイレスまでの距離を疑似体験

測量専用機「くにかぜ」1号機も展示。機体の下にあるカメラで日本列島を上空から撮影、その飛行距離は地球5周半に相当する約22万3,000kmとのことです。

くにかぜ1号
機体の下に撮影用の巨大カメラ

測量の歴史を学べる多数の展示

館内には測量に関する資料や道具も多数展示。技術が発達した現在と比べて、過去にはどのような方法で地図を作っていたのかを学ぶことができます。

三大文明から現在までの測量の歴史

測量に使われていた器具も古代の測量機器から現代のGPSシステムまで歴史上使われていた器具が多数展示されています。

明治時代に使われていた測量のためのやぐら「高覘標」
北極星の高度から緯度を計測する「四分儀」

測量と言えばこの人、伊能忠敬が実際に使った測量機材も。

何百年も前に作られた地図など貴重な地図も展示されており、歴史において地図がどんな作られ方をしていたのか、そして当時の人々が地図を通じて自分たちの世界をどう理解していたのかを追体験できます。

1507年に作成されたヴァルト・ゼーミューラーの世界図。アメリカの名前が初めて記載された
1691年(元禄4年)に作られた日本の古地図「日本海山潮陸図」。
明治10年代の地図
平成10年代の地図
令和元年の地図

地図に関するさまざまな特別展示コーナーも

館内には特別展示も行われており、今回訪問した際には全国の子供たちが作ったオリジナル地図を表彰する「全国児童生徒地図優秀作品展」が行われていました。

全国児童生徒地図優秀作品展

いずれの展示も大人顔負けのアイディアばかりで、子供たちの発想力の高さに唸らされます。

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子供と大人が一緒に楽しめる魅力たっぷりの観光スポット

地図を作るための測量の仕組みや、測量に使用されるさまざまな工具や技術、さらには古代の測量機器から現代のGPSシステムまで、時代とともにどのように進化してきたかを学ぶことができる「地図と測量の科学館」。子供たちにとっては地図がただ紙に描かれたものではなく、実際には精密な測定と計算に基づいて作られていることを理解できるとともに、大人にとっても普段何気なく使っている地図が、どのような科学と技術、歴史に基づいて作られているのかを理解できるよい機会でした。

夏休みなどの大型休暇はもちろん、土曜日や日曜日の休日など、子供と遊びに行くスポットとして、地図と測量の科学館で地図と測量について親子で学んでみてはいかがでしょうか。

URL

地図と測量の科学館 | 国土地理院
https://www.gsi.go.jp/MUSEUM/

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