月刊Graphia 2025年3月号(2025年2月分まとめ)
地図と位置情報を中心としたニュースサイト「GeoNews」の協力を受けて、2025年2月に掲載したニュースの中から厳選した5つの話題をピックアップして紹介します。
国土交通省、不動産情報ライブラリの世代別人口と将来推計人口データを250mメッシュに変更

国土交通省は、不動産の関する情報を閲覧できるウェブサイト「不動産情報ライブラリ」で公開している世代別人口および将来推計人口データのメッシュを、3月4日に250mメッシュへ変更すると発表しました。
更新するのは2020年国勢調査に基づく世代別人口データ(地域メッシュ統計)と、国土数値情報の将来推計人口データ(2025年~2070年の将来人口の試算結果)で、従来は500mメッシュで提供していましたが、3月4日から250mメッシュに変更となります。従来よりも粒度の細かい250mメッシュに変更することにより、地域の将来人口の地理的分布をより詳細に把握できるようになります。また、防災情報についても、指定緊急避難場所のデータが2025年2月7日時点のものに更新されます。
国土交通省はこのほか、JAREFE(日本不動産金融工学学会)25周年記念式典にて、不動産情報ライブラリが「JAREFEイノベーション賞(JAREFE Innovation Award)」を受賞したと発表しました。同賞は、JAREFEが主催する定期大会などのイベントで発表された、または学術論文集「ジャレフ・ジャーナル」やJAREFEのウェブサイトに掲載された不動産ビジネスのうち、JAREFEの設立趣旨にかなう顕著なイノベーションを行った個人または団体に対して授与されます。
西日本新聞メディアラボとナイトレイ、人流データを活用したプロモーションを支援する新サービス「デジタル解体新書」を提供開始

株式会社西日本新聞メディアラボと株式会社ナイトレイは2月6日、新サービス「デジタル解体新書」を提供開始しました。同サービスは人流データを活用したプロモーションの支援サービスで、西日本新聞メディアラボが持つ情報発信力と分析力に、ナイトレイの人流データ解析技術を活かした地域の動態分析を掛け合わせることにより、街の詳細や地域の魅力を可視化し、分析に基づく効果的なプロモーションを提供します。
同サービスでは、「ミニ」「ミドル」「ビッグ」の3つのパッケージを用意しています。「ミニ」は人流データで地域の分析のみを実施するサービスで、調査対象自治体の指定10エリアについて、過去1年間の来訪者属性や動態を分析できます。「ミドル」は人流データ分析によって地域の強みと弱みを把握し、分析結果を活かしてコアなターゲットに位置情報広告やSNS広告などの情報発信を行って来訪を促進します。
「ビッグ」は、地域分析および上方発信に加えて消費額調査までセットにしたサービスで、地域来訪者の属性(年齢、性別、居住地域など)を把握しながら効果の高いエリア・コンテンツで情報発信を行えます。また、旅行客の消費行動について分析し、プロモーションの効果を可視化することもできます。
Hamee、バッテリー切れでも居場所を検知できるキッズスマホ「Hamic MIELS nico」を発売

Hamee(ハミィ)株式会社は2月27日、子ども向けスマートフォン「Hamic MIELS nico」を発売しました。
同製品は見守り機能を搭載したスマートフォンで、自宅や学校など特定の場所に到着したことをプッシュ通知で知らせる機能や、防犯ブザー作動時に現在地を記録・送信するとともに周囲の音を自動的に録音して保護者に送信する機能などを備えています。
バッテリー切れでも内蔵のビーコンが一定期間、位置情報を送信する機能も備えており、位置情報確認アプリ「otta」により、スマートフォン充電レンタルサービス「ChargeSPOT」など全国約80,000カ所の見守りスポットで検知することができます。このほか、親子のメッセージアプリ「Hamic」の音声通話機能において、従来よりも通話機能の品質向上も実現しました。
カラーはペールホワイト、ペールブラック、ペールピンク、ペールブルー、ペールグリーンの5色で、カスタムオーダーにも対応します。価格は29,700円(税込)。同社の公式オンラインストアにて購入可能で、発売を記念して専用ポーチをプレゼントするキャンペーンも開催します。
クロスロケーションズ、人流分析プラットフォームに新機能「アワリー周辺滞在」を追加

クロスロケーションズ株式会社は2月8日、人流分析プラットフォーム「Location AI Platform(LAP)」に新機能「アワリー周辺滞在」を追加すると発表しました。
同機能は、地図上の任意地点をクリックするだけで、その徒歩時間商圏内における時間帯ごとの昼夜間人口を数値で把握できる機能です。これにより複雑な操作やPOIを事前に登録することなく、店舗の出店計画の立案や販促エリアの最適化などを行えます。
徒歩時間商圏は色別に表示され、徒歩1分(赤)、2分(紺)、5分(水色)、10分(緑)の4段階の滞在時間をアワリー(時間帯ごと)に集計してグラフで表示できます。
アワリー周辺滞在で得られる分析結果はCSV形式でダウンロードすることが可能で、他の売上データや顧客属性データと組み合わせて多角的に検証できます。さらに、生成AIに取り込んで考察レポートを生成することも可能です。
アドソル日進、Mapboxの地図基盤を活用した商圏分析ソリューション「DOCOYA」を提供開始

アドソル日進株式会社は、SaaS型商圏分析ソリューション「DOCOYA(ドコヤ)」を3月1日に提供開始すると発表しました。
同ソリューションは、GIS(地理情報システム)を活用して、顧客が保有するデータと人流データをかけ合わせたデータ分析を行える商圏分析ソリューションです。AIレポート機能を搭載しており、誰でも簡単に商圏分析結果を理解できます。
同社は2023年4月にSaaS型の店舗情報マッピング&検索サービス「COCOYA(ココヤ)」を提供開始し、DOCOYAはCOCOYAに続く同社のSaaS型ソリューションの第2弾となります。両ソリューションはいずれも地図配信サービス「Mapbox(マップボックス)」を基盤としており、DOCOYAでは高層ビル街などの3D表示が可能です。
同ソリューションは、ソフトバンク株式会社運営する最新ユースケースの法人向け体験型施設「EBC(Executive Briefing Center)」に今春展示する予定です。