【ジオ用語解説】都市計画情報

都市計画情報とは、地域の用途や開発事業、地区計画など都市計画に関する様々な情報のことで、各自治体や国土交通省によって提供されています。

都市計画情報には大きく分けて以下の3つがあります。

都市計画基礎調査

都市計画法に基づいて都市現況および将来の見通しを定期的に把握するための調査で、都道府県が主体となり市町村と連携しながら人口や交通量、土地利用、建物現況に関する調査を行います。収集されたデータをもとに調書や位置図、建物利用現況図などが作成され、様々な都市計画施策で活用されます。

都市計画決定情報(都市計画図書)

都市計画法に基づいて決定された内容や区域に関する情報で、総括図や計画図、計画書などの形で多くの人が見られるように公開する必要があります。

都市計画基本図

都市計画基礎調査や都市計画決定情報の基本となる地形図で、都道府県や市町村によって作成されます。

都市計画情報はデジタル化およびオープンデータ化が進められており、国土交通省は2024年7月に都市計画決定情報のGISデータ(都市計画決定GISデータ)のダウンロードページ「都市計画決定GISデータ 全国データダウンロードページ」(https://www.mlit.go.jp/toshi/tosiko/toshi_tosiko_tk_000087.html)を開設しました。都市計画決定に関するGISデータはこれまで自治体ごとに異なる形で公開されていましたが、このダウンロードページにより統一されたフォーマットのデータをダウンロードできるようになりました。

都市計画決定GISデータ 全国データダウンロードページ

公開されているデータは「都市計画区域」「区域区分」「用途地域」「高度地区」「土地区画整理事業」「地区計画都市計画道路」「公園」「立地適正化計画」「特例容積率適用地区」「高層住居誘導地区」「居住調整地域」「歴史的風土保存地区」「緑化地域」「航空機騒音障害防止地区」「風致地区」など25項目です。

ファイル形式は、シェープファイル形式とCityGML形式、GeoJSON形式の3種類で、自治体ごとに掲載する項目が異なり、自治体ごとに公開している項目をまとめた一覧表(https://www.mlit.go.jp/toshi/tosiko/content/001864274.xlsx)で確認することができます。

これらのファイルは「QGIS」などのGISソフトでも利用可能ですが、一部の情報は国土交通省が提供するウェブサイト「不動産情報ライブラリ(https://www.reinfolib.mlit.go.jp/)」において見ることもできます。同サイトの上部メニューのうち「都市計画情報」を選択して「都市計画区域」「区域区分」「用途地域」「高度利用地区」「防火/準防火地域」「地区計画」「立地適正化計画」の7項目から表示したい項目を選択すると、地図上に情報が表示されます。

不動産情報ライブラリ(「用途地域」で色分けした図)

このほか、国土数値情報ダウンロードサイト(https://nlftp.mlit.go.jp/ksj/)でも都市計画決定情報をダウンロードすることも可能です。こちらでは「用途地域」や「立地適正化計画区域」「歴史的風土保存区域」「都市公園」などの情報について2022年度以前に遡ってダウンロードすることができます。

一方、都市計画基礎調査のデータについては自治体ごとに公開されており、G空間情報センター(https://front.geospatial.jp/)などからダウンロードすることができます。G空間情報センターにて「都市計画基礎調査」でキーワード検索すると各地のデータが見つかります。

都市計画に関する情報は、自治体がまちづくりの政策立案などに活用するだけでなく、企業の出店計画など様々な用途に活用できるので、データ内容や使い方について把握しておくことをおすすめします。

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