月刊Graphia 2025年12月号(2025年11月分まとめ)
地図と位置情報を中心としたニュースサイト「GeoNews」の協力を受けて、2025年11月に掲載したニュースの中から厳選した5つの話題をピックアップして紹介します。
国土地理院、北海道や能登地方など点群データの提供範囲を拡大

国土地理院は11月28日、航空レーザー測量データをもとに作成した点群データの刊行範囲を拡大しました。
新たに刊行する範囲は、北海道渡島・檜山地方、岩手県・宮城県の沿岸部、石川県能登地方、新潟県中越地方などで、これにより刊行の面積は約15,000㎢となります。3次メッシュ(緯度方向に30秒、経度方向に45秒の大きさのメッシュで、1辺は約1km)で作成しており、2次メッシュ単位でUSBメモリに格納して販売します。価格は2次メッシュあたり13,900円(税込)で、日本地図センターのウェブサイトで購入できます。
国土地理院は2025年2月に点群データの提供を開始し、今回が初の範囲拡大となります。点群データに含まれるそれぞれの点には緯度・経度・高さに加えて色情報や地表・水部・その他の簡易分類情報を持たせています。国土地理院は引き続き刊行準備を進めており、2025年度末には北海道日高、十勝、釧路、根室地方の追加を予定しています。
クロスロケーションズ、2026年1月より社名をLocation AIに変更

クロスロケーションズ株式会社は、2026年1月1日付で社名を「Location AI株式会社(ロケーションエーアイ株式会社)」へ変更すると発表しました。
同社は2018年に創業し、位置情報ビッグデータをAI技術のマシンラーニングにより処理する「Location Engine」および、そのデータを分析・可視化するクラウドプラットフォーム「Location AI Platform(LAP)」を提供しています。また、2025年にはLAPに生成AIによる人流データ分析機能も統合しました。
今回のCIの刷新は、このような同社の事業ドメインと進化の方向性をより明確に示すことを目的としたもので、同社が創業当時から追求してきた“位置情報ビッグデータ×AI技術”を象徴する社名としています。ロゴの先頭にある図形「アインシュタイン・タイル」は、1種類だけで無限に平面を埋め尽くすことができる多角形で、2023年に発見されたものであり、新たな発見を創出する同社の姿勢を象徴するデザインとして採用されました。
乗換NAVITIME、電車のルートを路線図上で確認できる新機能「路線図ルート比較」を提供開始

株式会社ナビタイムジャパンは11月4日、乗換案内アプリ「乗換NAVITIME」のiOS版にて、電車のルートを路線図上で確認・比較できる新機能「路線図ルート比較」を提供開始しました。iOS向けアプリにて先行対応し、今後Android OSにも対応を予定しています。
同機能は、複数のルート候補を路線図上で比較できるようにしたもので、各ルートの所要時間や運賃、乗換回数などの詳細情報も合わせて確認できます。ルート検索機能にて、「電車のみ」または「徒歩と電車のみ」のルート検索結果画面に表示されて、「路線図上で確認」ボタンをタップすると路線図上にルート情報が表示されます。また、ルート上で運行情報が発生している場合は発生区間を路線図上で表示し、代替となる迂回ルートが路線図上に表示されます。
対応エリアは、関東(東京、茨城、栃木、群馬、埼玉、千葉、神奈川)、関西(大阪、京都、滋賀、奈良、兵庫、和歌山)、名古屋、札幌、仙台、福岡のJR在来線や私鉄、地下鉄で、エリアをまたぐルート検索や一部の新幹線には対応していません。
エステートテクノロジーズ、地図上でエリアを指定するだけで周辺状況をAIエージェントで調べられるサービスを提供開始

エステートテクノロジーズ株式会社は11月18日、地図上でクリックするだけでAIエージェントを活用できるサービス「Dr.Asset AI」を提供開始しました。
同サービスでは、地図上でエリアを指定することでAIエージェントにより不動産購入に必要な周辺環境や地域特性を分析できる機能で、AIの知識は不要で不動産の相場や災害リスク、暮らしの情報などを把握することができます。地図UIとAIエージェントを統合することにより、直感的な住まい探し体験を提供します。
同社が保有するマンション相場データを活用して、市区町村平均を基準に町丁目の割安・割高を地図上に色分けして可視化できるほか、小・中学校区、医療圏、公共施設の分布と災害リスクをもとに子育て環境を調べられます。また、洪水・高潮・津波・土砂の想定区域と地価公示を地図上に重ねて災害リスクを調べることもできます。
昭文社、「山と高原地図」ジグソーパズルの第2弾として「八ヶ岳」版を発売

株式会社昭文社ホールディングスと株式会社昭文社は、「山と高原地図ジグソーパズル」シリーズの第2弾として、「山と高原地図 ジグソーパズル 八ヶ岳」を12月19日に発売すると発表しました。
同製品は、全国展開の登山地図シリーズとして知られる登山地図「山と高原地図」の地図をジグソーパズルにしたもので、サイズは75(縦)×50(横)、1000ピースのジグソーパズルです。
両社は2025年6月に第1弾の「山と高原地図 ジグソーパズル 槍ヶ岳・穂高岳 上高地」を創刊60周年を記念して発売し、登山愛好家やパズルファンから大きな反響を呼んだそうです。今回発売するのはその第2弾で、希望小売価格は3,960円(税込)。昭文社オンラインストアにて販売します。
同社は今後も引き続き「山と高原地図」シリーズ60周年の記念施策を実施する予定です。














