月刊グラフィア 2022年7月号

2022年6月の位置情報ニュースまとめ

地図と位置情報を中心としたニュースサイト「GeoNews」の協力を受けて、2022年6月に掲載したニュースの中から厳選した5つの話題をピックアップして紹介します。

クロスロケーションズとジオテクノロジーズが資本業務提携、協業によりロケーションテック事業を推進

クロスロケーションズとジオテクノロジーズが資本業務提携、協業によりロケーションテック事業を推進
クロスロケーションズとジオテクノロジーズが資本業務提携、協業によりロケーションテック事業を推進

クロスロケーションズ株式会社とジオテクノロジーズ株式会社(旧インクリメントP株式会社)は6月29日、資本業務提携契約による戦略的提携を行ったと発表しました。

クロスロケーションズは独自の位置情報データ分析エンジン「Location Engine」およびクラウド型プラットフォーム「Location AI Platform(LAP)」を提供しています。一方、ジオテクノロジーズはカーナビや法人向け地図データ・位置情報ソリューションを提供するほか、地図サービス「MapFan」やポイ活アプリ「トリマ」なども提供しています。

今回の業務提携により、今後はクロスロケーションズのLAPと関連製品にジオテクノロジーズが保有する地図データや地図関連技術、人流データを提供・実装し、LAPの機能の高度化やサービスの高品質化を行います。また、ジオテクノロジーズはクロスロケーションズのLAPおよびその関連製品の販売を行う予定です。さらに、両社はそれぞれの技術・知的所有物・経営資源を持ち寄って新製品の共同開発と提供を行い、ロケーションテック関連事業を発展させることを目指しています。

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ヤフー、「Yahoo! MAP」でターンバイターン方式の自転車向けナビ機能を提供開始

ヤフー、「Yahoo! MAP」でターンバイターン方式の自転車向けナビ機能を提供開始
ヤフー、「Yahoo! MAP」でターンバイターン方式の自転車向けナビ機能を提供開始

ヤフー株式会社は、地図アプリ「Yahoo! MAP」において自転車向けのルート検索機能を追加するとともに、カーナビと同様のターンバイターン方式の自転車向けナビゲーション機能を提供開始しました。

今回の機能追加により、ルート検索においてユーザーは自転車移動に最適化されたルートを確認できるようになり、高速道路への誤進入なども防ぐことが可能となりました。さらに、地図上で雨雲のマークのボタンをタップすると「雨雲レーダー」が起動し、検索した自転車のルート上で雨雲の動き(1時間前~最大6時間後)と降水量をひと目で確認できます。

また、カーナビと同様に交差点などで進行方向を音声や案内パネルで案内するターンバイターン方式のナビゲーションも可能となり、ユーザーは目的地に到着するまでの右左折時に加えて、目的地までの目印となる交差点の案内を地図画面だけでなく音声案内も組み合わせて利用できます。音声案内によって「どのくらい先に次のポイントがあり、右折なのか左折なのか」といった情報を音声で確認できるようになり、運転中に画面を見る危険性を低減させることができます。

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ヤマップが発表した「道迷いしやすい登山道」、標識設置により道迷いがゼロに


ヤマップが発表した「道迷いしやすい登山道」、標識設置により道迷いがゼロに

ヤマップが発表した「道迷いしやすい登山道」、標識設置により道迷いがゼロに

株式会社ヤマップは、同社が2021年8月に発表した「道迷いしやすい登山道」5カ所について、そのうち道迷い多発地点に標識が設置されたことで道迷いが減少した事例を2022年6月7日に発表しました。

同社は登山地図アプリ「YAMAP」に投稿された「迷いやすい」タグ付き投稿(フィールドメモ)と登山者の軌跡データを分析することにより、日本の登山道においてとくに迷いやすい地点5カ所を制定して2021年8月に発表しました。同社の働きかけもあり、このうち神奈川県に位置する道迷い多発地点2カ所に標識が設置されました。

ひとつ目の事例は、神奈川県と山梨県の県境に位置する西丹沢の大界木山~浦安峠で、2021年9月に道案内を示す標識が1本設置された。YAMAPの軌跡データを分析したところ、設置後は道を間違える人がゼロになったそうです。

もうひとつの事例は、神奈川県の丹沢山、櫟山~栗ノ木洞に位置する登山道で、2021年12月、迷いやすい地点に案内標識が設置されました。こちらも設置後は道を間違える人が減少したことがYAMAPの軌跡データによって確認されました。

同社は道迷いしやすい登山道の2022年版を7月に発表予定で、今後もこのような取り組みを重ねていく方針としています。

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衛星データプラットフォーム「Tellus」、JAXAの衛星「しきさい」が取得したデータを無料公開

衛星データプラットフォーム「Tellus」、JAXAの衛星「しきさい」が取得したデータを無料公開
衛星データプラットフォーム「Tellus」、JAXAの衛星「しきさい」が取得したデータを無料公開

さくらインターネット株式会社は6月23日、衛星データプラットフォーム「Tellus(テルース)」において、国立研究開発法人宇宙航空研究開発機構(JAXA)の気候変動観測衛星「しきさい(GCOM-C)」で取得された「海面水温」「クロロフィルa濃度」「懸濁物質濃度」の準リアルタイムプロダクトおよび8日間の時間統計量データを無料で公開しました。

公開されたのは、海上における水面の温度データ、海面に分布する植物性プランクトンなどに含まれる光合成色素であるクロロフィルa濃度のデータ、プランクトンなどの有機物と土壌などの無機物による微粒子の単位水あたりの濃度を意味する「懸濁物質濃度」の3種類で、海洋上の気候変動の影響を把握し、漁業などへの利用が期待されます。

海面水温とクロロフィルa濃度については、これまでもアーカイブデータをTellusにて公開していましたが、今回、撮像後最短約70分で公開される準リアルタイムプロダクトと、8日間の観測データから雲などを除去し平均値を算出した時間統計量データにより、リアルタイムに近い海水の状況を把握することが可能となります。

準リアルタイムプロダクトは、これまでJAXAから一部研究者へ限定的に提供していましたが、一般でも閲覧可能な環境で提供されるのはTellusが初めてです。

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マップル、好きな場所の地図を切り出せるウェブサービス「マップル地図作成ツール」を提供開始

マップル、好きな場所の地図を切り出せるウェブサービス「マップル地図作成ツール」を提供開始
マップル、好きな場所の地図を切り出せるウェブサービス「マップル地図作成ツール」を提供開始

株式会社マップルは6月30日、地図データベースから好きな場所の地図を切り出せるウェブサービス「マップル地図作成ツール」を提供開始しました。

同サービスは、専用ソフトウェアのインストール不要で、ウェブブラウザを使ってアクセスできる地図作成ツールです。地図データの切り出しに特化しており、地図デザインおよびサイズの設定、切り出し範囲の指定、データのダウンロードの3ステップで利用できます。

同サービスでダウンロードしたSVGファイルはユーザー側で自由に加工することが可能で、店の位置をロゴマークや説明書きを入れて掲載したり、地図上の情報を取捨選択したりすることもできます。価格は7,250円~(税別)で、9月30日までの期間限定で、初回購入時3カットが無料となるキャンペーンを実施しています(同一の企業・団体で1回限り)。 GeoNewsの記事を読む

記事協力:GeoNews

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