月刊グラフィア 2023年12月号

2023年11月分の位置情報ニュースまとめ

地図と位置情報を中心としたニュースサイト「GeoNews」の協力を受けて、2023年11月に掲載したニュースの中から厳選した5つの話題をピックアップして紹介します。

スペクティ、サプライチェーンのリスク情報を収集・分析できる「Spectee SCR」を提供開始

スペクティ、サプライチェーンのリスク情報を収集・分析できる「Spectee SCR」を提供開始

株式会社Spectee(スペクティ)は11月30日、サプライチェーンのリスク情報を可視化するクラウドサービス「Spectee Supply Chain Resilience(Spectee SCR)」を提供開始しました。

同サービスは、製造業などのサプライチェーンを可視化し、危機情報をリアルタイムに収集・分析できるサービスです。自然災害や事故、地政学リスクなど世界中で発生する様々な危機をSNSデータや気象データ、警報、全世界のローカルニュース、港湾や空港などの情報をもとにリアルタイムで把握できます。

各サプライヤーの拠点情報や取り扱う製品・部品について、階層ごとにつながりをマップやツリー表示などで把握することが可能で、発生するインシデントと拠点や製品情報を自動的に紐づけてリスクを可視化します。インシデント発生時には自動的にサプライヤーの被害状況を収集し、納期への影響など起こりうるリスクを自動的に分析するとともに、取引先からの報告情報を取りまとめて事業影響レベルを分析し、初動対応の意思決定を迅速化します。

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日立製作所、開発途上国向け浸水予測サービス「FloodS」を無償で提供開始

日立製作所、開発途上国向け浸水予測サービス「FloodS」を無償で提供開始

株式会社日立製作所は11月30日、環境省の請負事業のもと、アジア太平洋地域などの開発途上国での利用を想定した浸水予測ウェブサービス「FloodS」を無償で提供開始しました。

同サービスは、河川氾濫や降雨、高潮による浸水状況の時間変化を高速にシミュレーションし、ウェブブラウザの地図上に予測結果を表示するサービス。気候変動に脆弱なアジア・太平洋諸国などの行政官向けに提供し、水文の専門知識を持たないユーザーでも直感的な操作で簡単に浸水シミュレーションを行えます。同サービスにより、開発途上国における気候変動による浸水リスクの把握や気候変動への適応の立案を支援します。

既存の予測ツールの多くが専門技術者向けであるのに対して、同サービスはシミュレーションしたい浸水リスクに応じて水深や降雨量などの条件を入力するだけで、ウェブ上でリアルタイムに地球全域の予測結果を見ることができます。また、盛土やトンネルや堤防などの対策を講じた場合のシミュレーションも行えます。

とくに、過去20年以内に大規模な河川災害が発生した地域や、高潮や今後の海面上昇による浸水の発生リスクが高い地域については精緻なDEM(数値標高モデル)を導入しているため、詳細なシミュレーションを行えます。その他の地域についても標高データ(MERIT DEM)と河川地形データ(MERIT Hydro)をあらかじめ導入しており、全世界の河川流域や沿岸域で簡易なシミュレーションを行えます。

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クロスロケーションズ、人流分析サービス「人流アナリティクス」のデータを強化

クロスロケーションズ、人流分析サービス「人流アナリティクス」のデータを強化

クロスロケーションズ株式会社は11月30日、人流分析サービス「人流アナリティクス」のデータを強化して、商圏分析や出店計画をより使いやすくするための改良を行いました。

人流アナリティクス(JA)は人流データ分析をスピーディーかつ安価に利用できるサービスで、新規出店時の分析や販売促進時のチラシの配布計画などに利用されています。今回の改良により、基本的な円商圏を分析する機能「エリア基本データウイジェット」を提供開始しました。

エリア基本データウイジェットは、分析したい店舗や地点の特定距離圏内の国勢調査をもとにした人口や居住者の属性、世帯構成などを集計し、出店候補地のポテンシャルなどを分析できます。また、一般的なGISソフトでは追加購入が必要な「推定世帯年収」も標準装備されています。分析結果は、国勢調査や経済センサスなどの統計データをもとにした特定距離圏内の人口や居住者属性、世帯構成の情報を簡単に把握することが可能で、各地域(町丁目単位)の推定世帯年収を含んだデータもCSV形式でダウンロードできます。

このほか、JAで選択可能な地図のひとつである「MapFan」の地図に、小売店や飲食店のロゴアイコンを表示できるようになりました。さらに、エリア基本データではMapFanの地図から対象の分析地点を選択することにより、周辺の最寄り駅や鉄道会社、分析地点からの距離、1日の乗降客数を地図上で確認することが可能で、CSVデータからも取得できます。

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MIERUNEと地理情報開発、QGISで作成した地図をIllustrator上で再現できるプラグインを提供開始

MIERUNEと地理情報開発、QGISで作成した地図をIllustrator上で再現できるプラグインを提供開始

株式会社MIERUNEと株式会社地理情報開発は11月6日、オープンソースのGISソフト「QGIS」上で作成した地図をIllustrator上で再現できるプラグイン「QGIS to Illustrator with PlugX」を提供開始しました。

同プラグインと、地理情報開発が提供するAdobe Illustrator向けプラグイン「PlugX-QGIS/.ai」を活用することにより、QGIS上で作成した地図をIllustrator上で完全再現することができます。

同プラグインはQGISで作成したレイヤー構造をそのままAdobe Illustrator形式(.ai)に変換可能で、QGISのアイコンもそのままAdobe Illustrator形式に変換できます。また、ラスターもそのままAdobe Illustrator形式で読み込めます。

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パイオニアのカーナビアプリ「COCCHi」がアップデート、CarPlayとAndroid Auto連携機能を拡充

パイオニアのカーナビアプリ「COCCHi」がアップデート、CarPlayとAndroid Auto連携機能を拡充

パイオニア株式会社は11月13日、カーナビアプリ「COCCHi(コッチ)」のアップデートを実施しました。今回のアップデートでは、アプリの主要機能を車載機器のタッチパネルや音声で操作できる「Apple CarPlay」および「Android Auto」に連携した機能を強化し、レーン情報などの案内地のイラストや方向看板、ナビゲーション中の表示情報を拡充しました。

また、有料道路専用の「ハイウェイモード」に対応し、出口のほか進行方向にあるインターチェンジやサービスエリア、分岐地点など最大3施設の情報が地図上に表示されるようになりました。さらに、ルート案内中に渋滞や事故情報などを考慮して新しいルートを提示する「ルートアドバイザー」に対応しました。

このほか、音声検索ワードの追加や、Googleマップの「地点共有」機能への対応を図ったことに加えて、車載機器側の操作に「立寄地の追加/削除」「地点選択」も追加しました。

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記事協力:GeoNews

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