月刊グラフィア 2024年3月号

2024年2月分の位置情報ニュースまとめ

地図と位置情報を中心としたニュースサイト「GeoNews」の協力を受けて、2024年2月に掲載したニュースの中から厳選した5つの話題をピックアップして紹介します。

大阪府が地形の点群データをオープンデータ化、G空間情報センターにて公開

大阪府が地形の点群データをオープンデータ化、G空間情報センターにて公開

大阪府は2月6日、府内の地形などの形状を表した点群データをオープンデータ化して、地理空間情報のデータ流通支援プラットフォーム「G空間情報センター」にて公開したことを発表しました。

公開したのは山間部の地形などに関する点群データで、航空レーザー計測で得られたオリジナルデータからフィルタリングによって樹木等のデータを取り除いた地表面の3次元計測データ(グラウンドデータ)と、地形起伏をわかりやすく強調し、高精度に微地形を表現した微地形地図の2種類があり、地域別にダウンロードできます。

これらの点群データを活用することで視覚的・直観的な地形判読が可能となり、地滑り地形や深層崩壊跡地形など危険性の高い場所の予測等につなげることができます。

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東京都、デジタルツイン3Dビューアに能登半島地震の被害状況を掲載

東京都、デジタルツイン3Dビューアに能登半島地震の被害状況を掲載

東京都は2月2日、サイバー空間上に3D都市モデルを公開する「東京都デジタルツイン3Dビューア」に、能登半島地震の被害状況に関する地理空間データを掲載しました。

掲載データは発災前の点群データや微地形表現図、写真地図画像、発災後の斜面崩壊や堆積分布データなどで、今後、順次データを追加する予定です。専用ソフトウェアは不要で、ウェブブラウザ上で発災前後の地形データや被害状況に関するデータを重ね合わせて見ることができます。

点群データは石川県のデータを東京都がカラー化などの加工を行った上で掲載しており、今後、国などが発災後の点群データを取得する予定で、これらを重ね合わせることで災害状況の正確な把握・分析に活用できます。また、3Dデータの活用経験がある東京都と静岡県が連携し、技術的な支援も行っていく方針です。

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国土地理院、令和6年能登半島地震で生じた亀裂箇所の分布図を公開

国土地理院、令和6年能登半島地震で生じた亀裂箇所の分布図を公開

国土地理院は2月14日、令和6年能登半島地震で生じたと考えられる地表の亀裂箇所について空中写真の判読を行い、その分布図を公開しました。

判読は、国土地理院が1月2日・5日・11日・14日・17日に、珠洲地区・輪島東地区・輪島中地区・輪島西地区・穴水地区・七尾地区にて撮影した空中写真をGIS上に表示し、地表の亀裂のラインデータを取得しました。影や雪の影響がある部分は空中写真を色調補正して判読しました。

公開したのはPDF形式の亀裂分布図(A3サイズ)と亀裂場所のKMLデータで、KMLデータを地理院地図やGoogle Earthなどで読み込むことにより地図上で可視化できます。

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スリーオン、東京都23区の筆界地図サービス「土地マップTokyo23区」に用途地域と小学校区を追加

スリーオン、東京都23区の筆界地図サービス「土地マップTokyo23区」に用途地域と小学校区を追加

株式会社スリーオンは2月13日、東京都23区の筆界地図サービス「土地マップTokyo23区」の新規レイヤーとして用途地域および小学校区を追加しました。

土地マップTokyo23区は、東京都23区内の地番情報を途切れることなく見ることが可能なサービスで、公共座標系だけでなく任意座標系の地番情報も確認できます。2023年5月より期間限定で無料公開しており、公開終了日は未定としています。

今回のレイヤー追加により、新たに用途地域と小学校区が閲覧できるようになりました。用途地域と筆界図を組み合わせることで土地に建てられる建物の制限事項(容積率、建蔽率など)などが分かり、土地の探索や建物のシミュレーションに活用できるほか、取り引き時にも役立つ参考情報として使えます。

小学校区については、学区を知りたい小学校を指定すると、その部分が色分けして表示されるため、住み替えの検討時に学区を確認することが可能となります。

同社は今後もレイヤーの追加を予定しており、筆界図(現在でもサンプルとして一部地域を掲載中)や高度地区、防火・準防火地域、東京都以外の小学校区などを閲覧可能にすることを計画しています。また、依頼があれば有償にて市区町村の筆界図を作成して追加することもできます。

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トラッキモGPS、光センサー内蔵のカード型GNSS端末「Slim 4G」を3月に発売

トラッキモGPS、光センサー内蔵のカード型GNSS端末「Slim 4G」を3月に発売

株式会社トラッキモGPSは、カード型のGNSS端末「Slim 4G」(型番:TRKM035)を3月に発売すると発表しました。

同製品はクレジットカードサイズで薄型のGPS端末で、3G対応の従来製品「Slim 3G」の後継機種となります。カードサイズなのでポケットや財布などに収容することが可能で、ストラップも取り付けられます。光センサーを内蔵しており、手荷物に入れておくと持ち主の意図しないバッグの開閉などを検知できます。

GPSに加えてGLONASS、BDS、QZSS(みちびき)の4つの衛星測位システムに対応しています。Bluetooth5.2対応で、方向探知機能やLE Audio規格などにも対応しています。また、FOTA(Firmware update Over The Air)に対応しており、ファームウェアの更新を携帯ネットワークにより実施できます。

自動測位は最短1分間隔から最大4時間間隔で行えます。IP67の防水・防塵仕様で、フライトモードやアラーム通知などの機能も搭載します。

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記事協力:GeoNews

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