月刊グラフィア 2024年6月号

2024年5月分の位置情報ニュースまとめ

地図と位置情報を中心としたニュースサイト「GeoNews」の協力を受けて、2024年5月に掲載したニュースの中から厳選した5つの話題をピックアップして紹介します。

LBMA Japan、移動における脱炭素の指標値を定める「Location-GXガイドライン」を公開

LBMA Japan、移動における脱炭素の指標値を定める「Location-GXガイドライン」を公開

一般社団法人LBMA Japanは5月20日、移動における脱炭素の指標値指標値を定める「Location-GXガイドライン」を発表しました。同団体のウェブサイトよりダウンロードできます(無料の会員登録が必要)。

同ガイドラインは、移動における炭素排出量を可視化し、統一化することで人々の行動変容を促す施策を企業が展開できるようにすることを狙いとしたもので、炭素排出量の算出のロジックや方法などを定義しています。

AIなどの活用により位置情報や時間、交通経路などを比較して移動手段を算出した上で、それぞれの移動手段において1kmごとの炭素排出量(g)を“元値”として毎年更新し、各サービスやビジネスで算出したベースライン(施策実施前データ)と施策実施後のデータを比較して、その差分である変容値(削減値)を「L-GXポイント」として定義しており、このポイントがJクレジットのようにカーボンニュートラルの値として認められていくことを目指しています。

将来的には、L-GXポイントをオフセット値を必要とする他企業に対してクレジットとして販売できるスキームの構築を目指しています。

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ヤマップ、全国の流域を網羅した「YAMAP 流域地図」を提供開始

ヤマップ、全国の流域を網羅した「YAMAP 流域地図」を提供開始

株式会社ヤマップは5月13日、日本全国の流域を網羅した3Dの「YAMAP 流域地図」を公開しました。

YAMAP 流域地図では、地図上を選択すると流域がフォーカスされる地図で、上部に流域名が表示されます。フォーカスされた地図の中をさらに選択すると、分化した流域が表示され、入れ子構造を確認できます。

また、フォーカスしたエリア内にある山の山頂を示すマークも表示され、源流の山を調べられます。山名からはYAMAPの山情報を調べることができます。流域地図をもとに源流の山に登るといった使い方が可能です。

今回公開したものはテスト版で、今後はハザードマップの表示や衛星画像をもとにした情報を追加する予定です。

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ジョルダン、MaaS対応の経路検索アプリ「乗換案内 version 6」を提供開始

ジョルダン、MaaS対応の経路検索アプリ「乗換案内 version 6」を提供開始

ジョルダン株式会社は5月8日、スマートフォン向け経路検索アプリ「乗換案内 version 6」を提供開始すると発表しました。

同アプリは、公共交通機関の経路検索機能だけでなく、観光コンテンツやトータル・マルチモーダル経路検索、予約・発券・配車なども行えるアプリで、リアルタイムの遅延情報に基づいた情報提供や迂回ルート検索なども行えます。

全国の観光コンテンツを紹介する「お出かけコンテンツ」では、一覧表示に加えて地図からの地域選択の2通りの検索に対応し、スポットtoスポット検索にも対応しています。

トータル・マルチモーダル経路検索では、AIオンデマンドバスやデマンド型交通、相乗りタクシー、カーシェアリング、自転車、キックボードなどのマイクロモビリティを経路検索の対象に追加し、経路検索エンジンを拡張しました。これにより、駐車場の心配をせずに移動したり、環境に優しい移動手段を選択したりすることができます。

予約・発券・配車機能については、経路検索結果上からお得なチケットを購入可能で、検索結果に表示された新幹線や飛行機、私鉄特急の便も各事業者の予約サイトと連携してダイレクト予約を行えます。

今後はジョルダンが保有するMaaSプラットフォーム「J MaaS」と多様な経路データとの連携を通じて、提供サービスの拡張を図っていく方針です。

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ウェザーニューズ、5mメッシュの解像度で風を予測する「超高解像度モデル」を提供開始

ウェザーニューズ、5mメッシュの解像度で風を予測する「超高解像度モデル」を提供開始

株式会社ウェザーニューズは5月29日、法人向け気象情報サービス「ウェザーニュース for business」にて、高解像度に風を予測する「超高解像度モデル」を提供開始しました。

同サービスでは、ビル風などの局地的な強風を5mメッシュの解像度で1時間ごとに34時間先まで細かく予測できます。建物や周辺環境の情報を含む3次元データを入力し、複雑な市街地の風の流れをシミュレーションしており、強風のリスクを把握することが可能で、建設作業や不動産管理、屋外イベント開催時の安全対策に役立てられます。地上付近から上空150mまで、企業のニーズに合わせた高さで算出できます。

同社は2017年から筑波大学計算科学研究センター日下博幸研究室と共同研究を開始し、「都市気象予測モデル」の開発と実用化に向けた観測データによる検証を実施して、2020年夏にはプロトタイプの運用を開始しました。「都市気象予測モデル」は、市街地や都市部の3次元データを活用した解像度の高さが特徴で、モデルの運用にはコンピューターによる高度な計算能力が必要です。同社はクラウド技術を応用することで「都市気象予測モデル」を実用化し、このたび「超高解像度モデル」としてサービス提供を開始しました。

同社は風のほかにも、時間や場所によって大きく変化する市街地の日陰やWBGT(暑さ指数)についても実用化に向けた予測と検証を行っています。

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ゼンリン、都市の交通インフラをモチーフにした地図柄アイテムを発売

ゼンリン、都市の交通インフラをモチーフにした地図柄アイテムを発売

株式会社ゼンリンは5月31日、地図がデザインされた文具や雑貨のブランド「Map Design GALLERY」の新商品として、都市の交通インフラをモチーフにデザインした「メトロポリタンシリーズ」の新アイテムを発売しました。Map Design GALLERYオンラインストアおよび各店舗にて購入できます。

同製品は、大都市圏・都市圏をテーマとして、交通インフラをモチーフにデザインしたアイテムです。ゼンリンが保有する、都道府県の境界線や海・河川などの水域を表す「地形」、「道路網」、「鉄道網」の3種類のデータを主に活用して、「大都市圏」と「都市の総柄」の2種類のデザインで展開しています。

ラインアップは「パスケース」「コインケース」「A4バッグインバッグ」の3種類です。パスケースは長さ約90cmのストラップを同梱するため、社員証などのIDカードホルダーとしても利用できます。コインケースには2つのカードポケットを備えており、スーツのポケットにも入るサイズを実現。A4バッグインバッグはA4サイズのクリアファイルが収納可能で、持ち手が付いておりサブバッグとしても活用できます。

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記事協力:GeoNews

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