月刊Graphia 2024年9月号(2024年8月分まとめ)

2024年8月分まとめ

地図と位置情報を中心としたニュースサイト「GeoNews」の協力を受けて、2024年8月に掲載したニュースの中から厳選した5つの話題をピックアップして紹介します。

Yahoo!乗換案内、全国の鉄道の運行情報を地図で確認できる「運行情報キャスト」を提供開始

Yahoo!乗換案内、全国の鉄道の運行情報を地図で確認できる「運行情報キャスト」を提供開始

LINEヤフー株式会社は8月6日、乗換検索アプリ「Yahoo!乗換案内」のiOS版にて、全国の鉄道の運行情報を地図上で確認できる「運行情報キャスト」を提供開始しました。

運行情報キャストは、全国の鉄道の遅延情報や運転見合わせ、運転再開などの運行情報を地図上で確認できる機能で、新幹線、有料列車、普通列車の運行情報に対応しています。また、列車の動きを地図上で確認できる機能「トレインキャスト」と重ねて利用することもできます。

使い方は、トップ画面右上に表示されている「公共交通マップ」をタップし、「運行情報」を選択すると情報が表示されます。列車に遅延や運転見合わせなどが発生するとマップ上で発生している区間のみに色付けされます。遅延や運転見合わせが発生している路線だけでなく、「◯◯線の渋谷~新宿間で遅延」など該当区間や対象列車も表示されます。

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Ashirase、視覚障がい者向けナビゲーションデバイス「あしらせ」新モデルを発表

Ashirase、視覚障がい者向けナビゲーションデバイス「あしらせ」新モデルを発表

株式会社Ashiraseは8月1日、視覚障がい者の歩行をサポートするナビゲーションデバイス「あしらせ」の新モデルの先行予約販売を開始しました。発送は10月1日以降を予定しています。

同製品はGNSS受信機を内蔵したデバイスで、靴に装着することでユーザーの位置および方位を推定して、足元からの振動により目的地までのルートや曲がる方向、タイミングなどを知らせます。目的地の設定後はスマートフォンをポケットに入れたまま利用可能で、道案内をあしらせに任せることにより、視覚や聴覚を邪魔することなく安全確認に集中できます。

複数のセンサー情報をもとに生成された歩行位置データを独自のアルゴリズムで補正することにより、視覚障がい者にとって歩きやすいルートを提案します。ユーザーの行きたいルートを記録できる「マイルート機能」や、横断歩道や交差点などを音声で案内する「道路構造・周辺施設通知機能」も搭載しています。

視覚障がい者が歩行においてアクセスしづらかった情報をAI機能を用いて知らせる機能も搭載し、探したい場所を音声入力すると条件に該当するおすすめ施設の情報を案内する「AIおすすめスポット検索」や、写真で撮影したものを説明する「AI画像認識」機能などの機能も提供します。

Ashiraseは本田技研工業株式会社発のスタートアップで、2023年3月に120台の「あしらせ」の先行販売を実施しました。今回発表した新モデルは、スマートフォン標準のセンサーデータに加えて、あしらせデバイスに搭載された磁気、IMU(慣性計測装置)、GNSSのセンサーデータを組み合わせることで高精度なユーザー位置と方位推定を実現しました。

さらに、自動運転の自車位置推定技術を応用した独自のユーザー歩行位置推定技術により、位置情報のずれを改善しています。また、靴の中に入れる振動部分の素材に柔らかく薄い形状を採用し、装着時の違和感を低減するとともに、先行販売モデルから15%の小型化と、幅広い靴になじみやすいユニセックスなデザインへと変更しました。同製品は厚生労働省が定めた「身体障害者用物品」の条件を満たしており、非課税での販売となります。

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住友林業とNTT Com、GISで森林クレジットの創出・審査・購入を支援する「森林価値創造プラットフォーム」を提供開始

「森かち」GISの画面

住友林業株式会社とNTTコミュニケーションズ株式会社(NTT Com)は8月27日、森林由来J-クレジット(森林クレジット)の創出・審査・取引を包括的に支援する「森林価値創造プラットフォーム(森かち)」を提供開始しました。

森林クレジットとは、間伐などの森林の適切な管理を行うことによるCO2吸収量をクレジットとして国が認証したもので、今回提供するプラットフォームは、森林クレジットの創出者・審査機関・購入者それぞれに対してGIS(地理情報システム)の機能を提供します。これにより、森林クレジットの発行プロセスの効率化とクレジットの信頼性向上を実現し、森林クレジットの創出・流通活性化を目指す方針としています。

同プラットフォームは、クラウドサービスの「森かち」システムと、「クレジット創出コンサルティングサービス」で構成されます。

「森かち」システムでは、森林クレジットに関する情報や、創出や取引を効率的に行う機能を提供します。クレジット創出コンサルティングサービスを利用する創出者向けには、GISによる各種データの管理機能やクレジットの算定に必要なデータの自動入力・作成ガイドなどの申請書類作成支援機能、審査機関向けにはGISで対象森林の位置関係を確認しながらオンラインで書類審査を行える機能を提供します。

創出者は、販売ページを通じて森林クレジットが発行された地域、実施者、自然環境、森林の作業における工夫など、さまざまな情報を発信できます。このほか、「森かち」のランディングページも設置し、コンセプトやサービス内容、森林クレジットに関する基礎知識なども提供します。

クレジット創出コンサルティングサービスでは、クレジット創出に必要な地図データのデジタル化および各種資料の突合を行うデータ整備支援サービスや、「森かち」システムのクレジット発行支援機能を活用した申請書類の作成や審査の支援などを行うクレジット申請支援サービスを提供します。

両社は今後、森林クレジット発行量の簡易シミュレーションや生成AIを活用した販売ページの作成支援など、プラットフォームの機能を拡充する方針で、自治体や金融機関などのパートナーとも連携するほか、創出者・購入者を支援するコンサルティング企業との提携も進めていく予定です。

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Hacobu、企業間で物流データを共有する「物流ビッグデータラボ」を創設

Hacobu、企業間で物流データを共有する「物流ビッグデータラボ」を創設

株式会社Hacobu(ハコブ)は8月23日、企業間で物流データを共有する「物流ビッグデータラボ」を創設すると発表しました。

物流ビッグデータラボは、物流においてサプライヤーやメーカー、卸し、小売りなどから得られた入出荷データや車両の動態データ、配送データなどのビッグデータをプラットフォームに集約し、個々の企業や業界の垣根を越えて物流の社会課題解決を目指す取り組みで、第1回はアスクル株式会社、キリンビバレッジ株式会社、株式会社スギ薬局、日本製紙株式会社、YKK AP株式会社が参画します。

集約したビッグデータを企業間で共有・分析することによって共同輸配送の実現や物流の効率化などを目指しており、カーボンニュートラルの実現やドライバー不足の解決にもつなげることで持続可能な物流インフラの構築を目指しています。

初年度は、物流ビッグデータをもとにした共同輸配送の実例創出に取り組み、より多くのルートで共同輸配送を実現するためにデータ拡充と継続性を両立する仕組みを議論・検証する予定で、中長期的には参画企業の拡大と多様な業界からの参加促進を図り、自動運転時代を見据えたデータ活用基盤の構築を進める方針です。

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ナビタイムジャパン、クーリングシェルターやクールシェアスポット情報を提供開始

ナビタイムジャパン、クーリングシェルターやクールシェアスポット情報を提供開始

株式会社ナビタイムジャパンは8月2日、ナビゲーションアプリ「NAVITIME」およびエコ活アプリ「moveco<ムブコ>」にて、「クールスポット検索」機能を提供開始しました。まずは関東(茨城県、栃木県、群馬県、埼玉県、千葉県、東京都、神奈川県)を対象に約3800件に対応し、今後は全国に拡大する予定です。

同機能は、各自治体で冷房設備を有するなどの要件を満たす施設として指定されている「指定暑熱避難施設(クーリングシェルター)」や、クールシェアスポット情報を検索できる機能です。同社の発表によると、都道府県をまたいで複数の自治体が指定するクーリングシェルターやクールシェアスポットを検索できるサービスの提供は日本初とのことです。

NAVITIMEでは、地図画面「人気のタグ」内の「クールスポット」を押すことで、現在地周辺のスポットを地図上に表示し、各スポットの詳細を確認できる。movecoでは、“さがす”画面の「クールスポット」を押すことによりスポットを地図上に表示し、各スポットの詳細を確認できます。

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