月刊Graphia 2025年1月号(2024年12月分まとめ)
地図と位置情報を中心としたニュースサイト「GeoNews」の協力を受けて、2024年12月に掲載したニュースの中から厳選した5つの話題をピックアップして紹介します。
ヤマップ、軌跡データを地図上に可視化する「みんなの軌跡」機能を提供開始
株式会社ヤマップは12月9日、登山地図アプリ「YAMAP」に、ユーザーによる過去の軌跡データを地図上に可視化する「みんなの軌跡」機能を提供開始しました。
同機能では、地図上で軌跡の重なりが多い部分ほど濃い色で表現され、そこを通行した人が多いことがわかります。地図上に実際の通行実績が可視化されるため、一般的な登山道だけでなくマイナーなルートやバリエーションルートなども把握しやすくなります。また、誰にも歩かれていない区間が明確になり、整備が行き届いていない山や上級者向けルートを通行している際にルートを踏み外すリスクを軽減できます。道の外に迷い込んで一般的な登山道から離れてしまった場合にも、復帰までのルートを見つけやすくなります。
同アプリではこれまでも地図上の一般的な登山道において、通行量が多いルートは太く、少ないルートは細く表示されていました。「みんなの軌跡」機能は、既存の通行量を太さで表示する取り組みに付加する形で実装され、赤線のない区間の実際の通行実績をリアルに把握できるようになります。
なお、同機能を使用することにより、登山経験の少ない人にとって難しいルートが表示される可能性があるため、同社は地図を読むことに慣れていない場合は同機能をオフにして安全に利用することを推奨しています。
ジョルテ、地図上でイベントを探せるアプリ「イベンティア」を提供開始
株式会社ジョルテは12月16日、地図上でイベントを探せるサービス「イベンティア」のアプリ版を提供開始しました。
同サービスは、エリアやジャンルを問わずさまざまなイベント情報を網羅的に集約し、地図やカテゴリなどで直感的に検索できるサービスで、10月にウェブ版のサービスとして提供を開始し、今回アプリ版も提供開始しました。
同アプリでは、位置情報をもとに近隣のイベント情報を表示し、開催期間やジャンルで絞り込むことができます。また、施設や団体ごとのまとめページや、リアルタイムでのイベント状況発信の機能なども提供しています。アプリ版のメリットとして、高速な動作スピードときれいな地図表示、活用エリアにおける主要イベントのプッシュ通知などの機能を搭載しています。
今後はパーソナライズすることで属性や趣向に合ったイベント情報だけに絞り込む機能などを搭載する予定で、チケットの予約機能や他社チケットサービスへのリンク、クーポン、スタンプラリーなども提供する予定です。また、旅行者向けに特化した専用機能やインバウンド向けに翻訳したサービスなども提供する予定です。
配達NAVITIME、地図にスタンプやマーカーなどを書き込める「My宅配マップ」を提供開始
株式会社ナビタイムジャパンは12月19日、配達専用アプリ「配達NAVITIME」にて、手書きで自分だけの地図を作れる「My宅配マップ」を提供開始しました。
同機能は、デジタル地図上にスタンプや付箋、手書きの線などを書き込める機能で、「スタンプ」「付箋」「建物の塗りつぶし」「マーカー」の4種類を利用できる。搬入口や車での入り方、新しい建物や戸建ての表札など、配達に必要な情報を書き込んだり、目印を付けたりすることができます。
スタンプは地図上の任意の地点に押すことが可能で、削除も簡単に行えるため、一時的な工事の位置などもメモすることができます。付箋は文字を記入して任意の地点に貼り付けることが可能で、付箋の色も自由に選べます。建物の塗りつぶしは任意のためのをタップするだけで色を付けてメモも登録できます。
マーカーは地図上に線を引くことが可能で、線の太さは自由に変更できます。太線で幹線道路や抜け道に線を引いたり、細線で建物の駐車位置や搬入口までの行き方を書き込んだりすることができます。
マップマーケティング、商圏分析のGISデータをTableauに組み込めるサービスを提供開始
マップマーケティング株式会社は12月6日、新サービス「TerraMap データコネクター for Tableau」を提供開始しました。
同サービスは、Tableauが用意するソリューション「Webデータコネクター」を通して、商圏分析GIS(地理情報システム)のデータをTableauに組み込めるサービスです。Tableauを使った商圏分析において、統計データの収集や煩雑な設定などが不要になります。
町丁目ポリゴンを始めとした人口数や世帯数など、商圏分析に必要なデータはすべて毎年自動で更新されるため、分析に必要なデータを更新のたびにインポートする必要がありません。また、準備不要で分析したい地点を円や任意の形で指定して、範囲を絞った状態で分析することが可能なため、処理・表示待ちを短くして効率的に商圏分析を行えます。
同社はTableau関連サービスとして「TerraMap データソリューション for Tableau」も提供しています。「TerraMap データソリューション for Tableau」では専用のデータファイルを使用するのに対して、「TerraMap データコネクター for Tableau」ではTableauソリューションのWebデータコネクターを使用するため手間がかからずすぐに使用できますが、広域の分析や一度に分析できる店舗数、分析に使用する統計データ数などに制限があります。
クロスロケーションズの人流分析サービスが1000アカウント突破、無料で2つのエリアを期間限定で分析可能に
クロスロケーションズ株式会社は12月26日、オンライン人流分析サービス「人流アナリティクス」および「人流アナリティクス ツーリズム」の登録アカウント数が1000を突破したと発表しました。
人流アナリティクスは商圏分析や集客支援に利用できるクラウドサービスで、商圏分析に役立つエリア内のデータを確認できる機能や、販促効果を高める来訪者数ランキングマップなどの機能を搭載しています。人流アナリティクス ツーリズムは地域観光マーケティングでの利用を想定したサービスで、都道府県・市区町村別来訪比率機能などを搭載しています。
両サービスでは、今回の1000アカウント突破を機に、無料で2つのエリア(POI)を登録し、2週間限定でそのエリアの人流状況を分析できる新機能を追加しました。また、人流アナリティクスでは有名な観光スポットや全国主要都市のサンプルPOIや業界別の人流データを無料で提供しており、このたび新たに「カフェ」「回転寿司」「麺類チェーン」の3業界を追加して合計7業界の人流トレンドを把握できるようになりました。