月刊グラフィア 2021年2月号
地図と位置情報を中心としたニュースサイト「GeoNews」の協力を受けて、2021年1月に掲載したニュースの中から厳選した5つの話題をピックアップして紹介します。
1. 国土地理院、阪神・淡路大震災関係の9基を含む38基の自然災害伝承碑を地理院地図で公開
国土地理院は「地理院地図」において、新たに14市区町村38基の自然災害伝承碑の情報を追加公開しました。自然災害伝承碑は、過去に起きた洪水や津波、地震などによって起きた災害を伝える石碑で、今回公開した中には、1995年に起きた阪神・淡路大震災関係の9基(神戸市)が含まれています。
2. クロスロケーションズ、初詣の人流変化をAIで解析した調査報告を発表
コロナの再流行が話題となる中で、正月休みの人出の変化がニュースなどで注目を集めました。クロスロケーションズ株式会社は、位置情報ビッグデータ活用プラットフォーム「Location AI Platform(LAP)」を使用して、2021年正月三が日の初詣の人流変化を、位置情報ビッグデータをもとにAIで解析しました。明治神宮や川崎大師など人気の初詣スポットの正月の人出は、昨年と比べて約70%減少しました。
3. ナビタイムが法人向け経路検索エンジンをリニューアル、「NAVITIME Engine」として新たに提供開始
株式会社ナビタイムジャパンは、法人向け開発キット「NAVITIME SDK」のPC・サーバー向け経路探索エンジンを「NAVITIME Engine」としてリニューアルしました。これにより、交通ビッグデータをもとにした時間帯別・地域区分別の道路走行速度を考慮したルート検索や、“開かずの踏切”の情報、大型車規制や道幅などの道路情報などに対応しました。
4. HERE、世界75都市を再現した3Dモデル「HERE Premier 3D Cities」を提供開始
デジタルツインのプラットフォームとなる3Dモデルのデータセットが各方面からリリースされている中、HERE Technologiesは世界75都市の中心部を再現した3Dモデル「HERE Premier 3D Cities」を提供開始しました。道路形状や地形、建物の高さ情報などを収録したデータセットで、LiDARや光学センサー、衛星画像など複数のソースをもとに、AI/機械学習アプリケーションによって作成されており、都市計画やシミュレーションなどさまざまな用途に利用できます。
5. NTTデータ、人の動きを可視化するリアルタイム人口データの配信サービスを提供開始
株式会社NTTデータは、地図情報システム「BizXaaS MaP」にて、「モバイル空間統計 人口分布統計(リアルタイム版)」を提供開始しました。これまでデータの表示に1カ月程度のリードタイムがあった人口データを、1時間のリードタイムで配信する新サービスで、リアルタイムの人口分布や属性情報(性・年代・居住地)を500mメッシュ単位で把握できます。
記事協力:GeoNews