月刊graphia 2026年7月号(2026年6月分まとめ)

地図と位置情報を中心としたニュースサイト「GeoNews」の協力を受けて、2026年6月に掲載したニュースの中から厳選した5つの話題をピックアップして紹介します。

G空間情報センター、チャットによるデータ検索とダウンロード機能を試験公開

https://geo-news.jp/archives/7967

一般社団法人社会基盤情報流通推進協議会(AIGID)は6月29日、地理空間情報のデータ流通プラットフォーム「G空間情報センター」において、自然言語によるチャットでデータ検索およびダウンロードを行える新機能の試験公開を開始しました。

同サイトでは、これまでデータセット名やキーワードの入力による検索機能を提供してきましたが、今回の新機能により、「災害関連のオープンデータを探したい」「PLATEAUの3D都市モデルをダウンロードしたい」「〇〇市の法務省登記所備付地図データをダウンロードしたい」といった普段の会話に近い文章でデータを検索できるようになります。また、検索結果からチャットを使って関連するデータをまとめてダウンロードすることも可能となりました。

同サイトでは無料でユーザー登録が可能で、ログインしているか否かによりダウンロードできるファイル数に制限を設けており、ログインしていない場合はデータの検索は可能ですがファイルのダウンロードが行えません。ダウンロードする場合はログインが必要ですが、試験版ではダウンロードできるファイル数に制限があります。

ナビタイムジャパン、ランニングアプリ「Run Supporter by NAVITIME」を提供開始

https://geo-news.jp/archives/7964

株式会社ナビタイムジャパンは6月12日、iOS/Android向けランニングアプリ「Run Supporter by NAVITIME」を提供開始しました。

同アプリは、ランニング専用の周辺ルート検索機能を搭載したアプリで、地図の中心を起点として「標準」「信号が少ない」「大通り優先」の3種類のルートを検索できます。「信号が少ないルート」は、地図データの信号の位置情報を活用して、信号のある場所を通りにくいルートを算出する独自のアルゴリズムを開発し、信号待ちのストレスを軽減して立ち止まることなくスムーズに走れる体験を提供します。

皇居周辺や代々木公園など全国の定番スポットから生活圏にある走りやすいコースまで、約100本の「おすすめコース」を収録しており、コースの往復が重ならない「マラソンコース」のような見やすい地図表現や、1kmごとの「関門」アイコン表示など、ランナー向けのUIを追求しています。

ユーザーが検索・作成したコースやおすすめランニングコースに対して位置情報データをもとに照合し、完走できたかどうかを認定する機能を搭載しており、完走したコースを集めることで走るモチベーションの向上・維持をサポートします。

走行中にランニングコースを外れてしまった場合には音声で通知することにより、コースを地図で確認することなくランニングに集中できます。走行後はタイム・距離・軌跡の記録に加えて、体重や体脂肪率もアプリ内で一括管理が可能で、日々の走行記録と身体データの変化をセットで振り返ることができます。また、自治体や企業が主催するスポーツイベントや、健康促進活動のプラットフォームとしても活用できます。

MIERUNE、閉域網やオフライン環境向けの地図データ「MIERUNE地図タイル」を提供開始

https://geo-news.jp/archives/7977

株式会社MIERUNEは6月5日、新たな地図データ製品「MIERUNE地図タイル」を提供開始しました。

同製品は、セキュリティ要件の高い閉域網やオフライン環境のウェブアプリケーションに地図機能を組み込めるベクトルタイルの地図データ製品です。地図タイルデータおよびスタイル、アセットの一式をパーツとして提供し、顧客のシステムにセルフホストで組み込めます。

クラウド型APIに依存せず、オンプレミスやAWS、GCP、Azureなどの各種サーバー環境に配置可能で、閉域網内で完結する地図配信を実現します。データ基盤は PMTiles に統一しつつ、環境に合わせてz-x-yやMBTiles、ラスタータイルから選択できます。

独自のデータパイプラインにより毎月の地図データ更新を提供可能で、最新の道路ネットワークや施設情報を反映したタイルデータを随時ダウンロードできます。また、地図を印刷物や出版物に組み込む利用に追加料金や制限を設けていないので、紙面でもウェブと同じ自由度で利用できます。

AppleやHEREなどでの実績を持つカートグラファーと、路線図・歴史地図デザインで知られるデザイナーが制作を担当し、業務システムにふさわしい情報密度と視認性を保ちながら、洗練された地図デザインとPOIアイコンを提供します。提供プランは全球版と日本版から選択可能で、必要に応じてデータ更新オプションを追加できる二段構成となっています。

Spectee、災害リスクの診断サービス「拠点リスクカルテ」を提供開始

https://geo-news.jp/archives/7973

株式会社Specteeは6月30日、災害リスクを診断・可視化する新サービス「拠点リスクカルテ」を提供開始しました。

同サービスは、各拠点の所在地における地震や水害、津波などの災害リスクを自動的にスコアリングして、拠点ごとの“カルテ”として可視化するサービスです。拠点の所在地を登録することにより、公的機関などが提供するハザードマップや災害履歴などの情報をもとに立地に潜む複数の災害リスクを自動診断して、分かりやすく整理します。これにより、拠点間のリスクを同一基準で比較することが可能となり、BCPの見直しや防災投資の優先順位付けを支援します。

主な診断項目は、「確率論的地震動予測地図による想定震度」「津波・高潮・洪水の想定浸水深(想定最大規模)」「土砂災害警戒区域等への該当」「標高・海岸線までの距離」「液状化傾向」「周辺の避難所」「周辺の過去の災害履歴」などで、ほかにも顧客の要望に応じて新たに追加・カスタマイズすることができます。

また、同社が提供するAI防災・危機管理サービス「Spectee Pro」またはサプライチェーン・リスク管理クラウド「Spectee SCR」と組み合わせることで、平時からリスク発生時のリアルタイム対応まで一気通貫で支援することが可能となります。

ダイナミックマッププラットフォーム、北米向けに橋梁・トンネル管理ソリューションを提供開始

https://geo-news.jp/archives/7960

ダイナミックマッププラットフォーム株式会社は、高精度3次元データを活用した北米の交通当局向けの橋梁・トンネル管理ソリューションを提供開始しました。

同ソリューションは、モビリティ向けに整備してきた高精度3次元データを活用して橋梁やトンネルのクリアランス(高さ制限)情報の整備・管理を支援するソリューションです。高精度3次元データはSNBI(Specification for the National Bridge Inventory: 米国の橋梁管理に関する基準)に対応した形式で提供可能で、GISや3Dデータ管理プラットフォームなどの運用環境との連携にも対応しています。

米国では橋梁への車両衝突事故が年間約15,000件発生しており、橋梁やトンネルのクリアランス情報を正確に把握・更新することが重要な課題となっています。道路の再舗装後には通行可能高さが数インチ低下する場合があり、継続的な情報更新が不可欠であることに加えて、米国の州交通当局では制度改定などによって橋梁情報の管理高度化が進んでいるため、クリアランス情報を含む詳細データの整備ニーズが高まっているそうです。

従来の計測手法では、現地での測量や交通規制、車線閉鎖などを伴う場合があり、安全面やコスト面での課題があります。一方、ダイナミックマッププラットフォームはMMS(モービルマッピングシステム)と呼ばれる専用車両により、交通への影響を抑えながら高精度な3次元データを取得することが可能で、米国48州およびカナダ全土において約150万kmの道路データを整備しており、その中には約25万件の橋梁・高架構造物および約2,000件のトンネルの情報が含まれています。このたび提供開始するソリューションでは、このような大規模な既存のデータ資産を活用することにより橋梁・トンネルのクリアランス情報の効率的な整備・更新を支援します。

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