月刊グラフィア 2022年2月号

2022年1月の位置情報ニュースまとめ

地図と位置情報を中心としたニュースサイト「GeoNews」の協力を受けて、2022年1月に掲載したニュースの中から厳選した5つの話題をピックアップして紹介します。

国土地理院、トンガ火山噴火の地形変化を「だいち2号」の衛星画像で分析

国土地理院、トンガ火山噴火の地形変化を「だいち2号」の衛星画像で分析

国土地理院は、1月15日発生したトンガ王国フンガトンガ・フンガハアパイ火山の噴火による地形変化やトンガタプ島の状況を把握するため、地球観測衛星「だいち2号」(ALOS-2)の合成開口レーダー(PALSAR-2)のデータを使用して画像を分析しました。

使用した衛星データは、噴火前の2019年12月14日および噴火後の2022年1月17日に観測した広域観測による火山のSAR強度画像と、2020年3月7日および2022年1月22日に観測したトンガタプ島の高分解能のデータで、今回の解析により、火山の中央部に噴火の影響による地形変化が確認されたことに加えて、トンガタプ島で噴火後に津波などの原因で浸水または水没した可能性がある領域が見られました。

このほかトンガ火山噴火に関連したニュースとしては、さくらインターネットが衛星データプラットフォーム「Tellus」にて衛星画像を公開したニュース(https://geo-news.jp/archives/4310)や、ウェザーニューズが噴火による気圧変化のデータを研究者向けに無償提供したニュース(https://geo-news.jp/archives/4253)などがあります。

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東京都がデジタルツインの社会実装に向けた検討会を開催、3Dビューアの追加掲載データも公開

東京都がデジタルツインの社会実装に向けた検討会を開催、3Dビューアの追加掲載データも公開
東京都がデジタルツインの社会実装に向けた検討会を開催、3Dビューアの追加掲載データも公開

東京都は、有識者で構成される「東京都における『都市のデジタルツイン』社会実装に向けた検討会」の第4回検討会を2月3日にオンラインにて開催しました。この検討会は、都市のデジタルツイン構築の望ましい進め方などを明らかにすることを目的としており、デジタルツインの運用方針や実現ステップなどに関する有識者の意見聴取、今年度事業の進捗報告、次年度以降の取り組みの概要紹介などが行われたほか、委員による講演も行われました。

また、東京都はウェブアプリ「東京都デジタルツイン3Dビューア」の追加掲載データも公開しました。新たに追加したのは、西新宿地区において測量機器およびスマートフォンのLiDARを用いて取得した点群データと、都市整備局による「都市の3Dデジタルマップ化プロジェクト」で作成した大丸有地区(大手町・丸の内・有楽町)の地下空間の3Dデジタルマップデータ、建設局の街路樹管理台帳(都道:千代田区、中央区、港区)と連携した街路樹データの3つとなります。

さらに、3D都市モデルの活用促進のため、英語版データ変換ツールの日本語版マニュアルを作成し、GitHub「tokyo-digitaltwin」で公開しました。

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ヒア、世界11港の海上と周辺道路の交通量を見られるマップを公開

ヒア、世界11港の海上と周辺道路の交通量を見られるマップを公開
ヒア、世界11港の海上と周辺道路の交通量を見られるマップを公開

HERE Technologies(ヒアテクノロジーズ)は、世界11港の海上交通量と周辺道路の交通量を見られるマップを公開しました。

同マップは、世界各地の港の海上交通量(コンテナ船の港での滞滞留日数)の月別推移と、港周辺の道路におけるトラックの交通量を確認できるマップで、同社の「HERE Traffic API」および海運データの「Marinetraffic」を組み合わせて作成されたものです。

国際海上輸送の遅れなど国際物流の混乱が続いている現状を受けて作成されたもので、2021年の間に世界の海運におけるボトルネックがどこに出現したのかを確認できます。左上のプルダウンメニューで港名を選択すると、2021年の間の海上交通量を推移グラフが表示され、地図上にはトラックの交通量が色分けして表示されます。

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ヤフー、全国各地の花粉情報がわかる「花粉情報2022」を公開

ヤフー、全国各地の花粉情報がわかる「花粉情報2022」を公開
ヤフー、全国各地の花粉情報がわかる「花粉情報2022」を公開

ヤフー株式会社(Yahoo! JAPAN)は1月24日、ウェブ版の「Yahoo!天気・災害」において、「花粉情報2022」を公開しました。「花粉情報2022」は、全国各地の花粉情報をまとめたサイトで、花粉が飛び始める時期の予想や、前年と比較した花粉飛散量の傾向を確認できます。

また、花粉(スギ・ヒノキ)の動きを48時間先まで地図上で確認できる「花粉レーダー」や、市区町村ごとに直近1週間の天気と花粉(スギ・ヒノキ・シラカバ)の飛散状況の予想を確認できる「花粉飛散予報」も提供します。

同社はiOS/Android向け「Yahoo!天気」アプリでも1月31日から花粉情報を掲載開始しました。登録している地点の花粉飛散情報をアプリからプッシュ通知で知らせる機能も2月に提供開始を予定しています。

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ゼンリンデータコム、人流データ「混雑統計」のデータセット販売を開始

ゼンリンデータコム、人流データ「混雑統計」のデータセット販売を開始
ゼンリンデータコム、人流データ「混雑統計」のデータセット販売を開始

株式会社ゼンリンデータコムは1月25日、これまで顧客のニーズに合わせてデータを提供していた位置情報ビッグデータ「混雑統計」サービスにおいて、移動データのみを抽出した「混雑統計データセット」を発売しました。

「混雑統計」は、携帯電話利用者から許諾を得て取得したGPSによる位置情報ビッグデータを、分析プログラムで総体的かつ統計的に加工を行った人流データです。今回発売するデータセットは、これまで都度集計が必要だった連続する滞在地点間の人の移動データを都道府県単位でセット化して提供するもので、データセット販売により従来の提供価格より大幅にコストダウンし、短納期での提供を可能にしました。

提供データは、都道府県内の移動を250mメッシュ間で可視化した「メッシュ間ODデータ」と、都道府県内の全市区町村データを提供する「市区町村別移動データ」の2種類で、購入する際に希望のデータ種類やエリア、集計期間を指定できます。

同データセットを使うことにより、人の動きの把握から交通実態の現状分析や交通計画策定の基礎データとして活用できるほか、流入元や流出先など人の出入りを可視化することにより、街づくりや観光施策などにも活用できます。

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記事協力:GeoNews

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