月刊グラフィア 2023年1月号
地図と位置情報を中心としたニュースサイト「GeoNews」の協力を受けて、2022年12月に掲載したニュースの中から厳選した5つの話題をピックアップして紹介します。
ヤフー、地図上で全国約400カ所のゲレンデ情報を確認できる「ゲレンデマップ」をYahoo! MAPで提供開始
ヤフー株式会社は12月22日、地図アプリ「Yahoo! MAP」にて、全国のゲレンデ情報を地図上で確認できる「ゲレンデマップ」を提供開始しました。
同機能は、全国約400カ所のゲレンデに対応したマップで、難易度に応じたコース情報を確認できるほか、ゲレンデごとの積雪量もピンの色で確認できます。また、地図上でゲレンデの詳細情報やルートなども確認できます。
同アプリにて「ゲレンデマップ」ボタンをタップまたは画面下部を引き上げて「ゲレンデマップ」カードをタップすると、地図上で該当スポットを確認できます。詳細を確認したいスポットのピンをタップすると、スポットの写真や名称、コース本数、積雪量(平均)、スポットの説明などが表示されます。ゲレンデごとの積雪量はピンの色別に「積雪量:200cm以上」「積雪量:100cm以上」「積雪量:100cm未満」の3段階で地図上に表示されます。
2023年2月には、難易度別のラベル表示(初級/中級/上級)や、こだわり条件(近くに温泉あり/駐車場無料/ナイターあり/レンタルが充実/ファミリー向け/アクティビティが充実)、ゲレンデ状況なども詳細画面に表示する予定です。
ボールドライト、フロアマップ作成や混雑状況の可視化などを提供する商業施設向けプラットフォーム「メタマップ」を発表
ボールドライト株式会社は、ショッピングセンターなどの商業施設向けDXソリューション「メタマップ」を提供開始し、ふかや花園プレミアム・アウトレット(埼玉県深谷市)にデジタルフロアマップとして導入されたことを発表しました。
メタマップは、紙製フロアマップ(フロアガイド)をデジタル化した上で、情報アクセス効率の改善や混雑状況の可視化、施設内の経路検索などをワンストップで提供するデジタルフロアマップ・ソリューションです。来店客の「探す・迷う・待つ」時間を削減し、買い物体験を効率化させることにより、顧客満足度向上と購買時間の最大化を実現します。
作成したデジタルフロアマップはスマートフォンのウェブブラウザから閲覧可能で、タッチ操作で縮尺変更や移動が可能です。店舗のカテゴライズやキーワード検索、現在地周辺検索、ハッシュタグ検索、店舗一覧表示などが可能で、店舗を見つけるまでに必要な時間を短縮化するとともに、混雑状況や待ち時間を可視化することで、混雑緩和や待ち時間短縮にもつながります。また、バリアフリーにも対応した目的地までの経路検索機能も搭載します。
施設内の回遊率や購買率を高めるため、デジタルスタンプラリーやクーポン機能も搭載しています。フロアマップ上の店舗を回遊してスタンプを収集し、集めたスタンプ数やポイントに応じて賞品応募やクーポンの発行を行えます。また、施設管理者は店舗情報の登録や更新を専用の管理画面から即時反映可能なため、タイムセール情報などの情報も配信可能です。さらに、店舗情報は独自開発のコンパニオンアプリ「CONNECT」を使用することで店舗担当者がスマートフォンから更新を行えます。
クロスロケーションズ、人流データ分析クラウドサービス「人流アナリティクス」をリニューアル
クロスロケーションズ株式会社は12月5日、人流データ分析サービス「人流アナリティクス」をリニューアルしました。
人流アナリティクスは、オンライン登録で人流データ分析が可能なクラウドサービスで、3,000億レコード以上の位置情報データを統計処理して算出された人流データを可視化して分析できます。
今回のリニューアルでは、ウィジェット(分析メニュー)に「来訪者出発圏比率」を追加し、分析地点と期間などの条件を設定することにより、分析地点への来訪者がどの範囲から来ているか(徒歩圏・自転車圏など)を比較分析できます。これにより、ウィジェットは既存の[人流速報]アワリー来訪、[人流速報]デイリー来訪、デモグラ(性別/世代)比率、来訪数ランキングの4つとあわせて、計5つとなりました。
さらに、来訪数ランキングマップでは、新たに年収や世帯数のデータも把握できるようになりました。また、任意の分析地点の設定が可能となり、月額10,000円(税別)で従来は5地点まで登録可能だったのを10地点に拡大しました。このほか、各ウィジェットで可視化された人流データをダウンロードすることも可能となり、他のシステムやBIツールなどでも活用できるようになりました。
これに加えて、Free版もリニューアルとなり、有料版と同等の機能となりました。5つのウィジェットが利用可能となり、来訪数ランキングでは年収データも表示されます。また、サンプルの分析地点が追加となり、従来のFree版で利用可能だった12都市に48都市を追加して、計60都市の人流データが見られるようになりました。
人気観光スポット12地点も追加となり、「全国旅行支援」による観光地の人流回復の状況を無料で把握できるようになりました。さらに、来訪数ランキング用の分析地点として、恵比寿ガーデンプレイス、大阪あべのハルカスが追加になり、これらの商業施設への来訪者の推定居住地(丁目別)の人口構成や年収区分も把握できるようになりました。
ナビタイム、配達業務の支援アプリ「配達NAVITIME」を提供開始
株式会社ナビタイムジャパンは12月7日、物流業界向けの配達専用アプリ「配達NAVITIME」を提供開始しました。
配達NAVITIMEは、配達業務の実態にあった作業効率化を目的としたアプリで、スマートフォンを使って大量の荷物の正確な配達先を登録・リスト化して管理することが可能で、配達時間帯指定を考慮した最適な巡回ルート検索を行えます。
建物名や表札などが表記された「ゼンリン住宅地図」や、郵便番号ごとの区画が表示された「郵便番号地図」、市区町村や丁目などの行政区画が表示された「行政界地図」などを収録し、配達先の正確な位置を確認できます。テナント名や表札情報まで確認することが可能で、高層ビルや大口事業所の個別番号に対応した郵便番号検索により、配達先を効率良く登録できます。また、配達時間帯指定を考慮した配達順を提案する機能も搭載します。
価格(税込)は月額2,300円(初月無料)、年額22,800円。なお、配達先リストの作成機能は無料で利用できます。
KIS、みちびきのサブメータ級測位補強サービスを活用して水道メーターの位置情報を管理するシステムを提供開始
株式会社KISは、準天頂衛星システム「みちびき」のサブメータ級測位補強サービス(SLAS)を活用した「水道メーターナビゲーションシステム」を12月中に提供開始すると発表しました。
同システムは、一般的なGPSに比べて高精度の測位が可能なSLASに対応した腕時計型の受信端末を活用して、水道メーターの位置情報管理およびナビゲーションを行えるシステムです。同社の水道メーター検針システム「Smart検針システム」と連携させることにより、水道メーターの位置情報の自動収集や、検針業務の負荷軽減を実現できます。
メーター位置情報の整備を測量業者に依頼する場合、多くの時間とコストがかかりますが、SLASを活用することでコスト低減を図れるとともに、緊急時に誰でも代理で検針に行くことが可能となり、引継ぎの効率が向上します。さらに、メーター取替業者などへの位置情報提供の負担も軽減できます。
記事協力:GeoNews