月刊グラフィア 2023年8月号
地図と位置情報を中心としたニュースサイト「GeoNews」の協力を受けて、2023年7月に掲載したニュースの中から厳選した5つの話題をピックアップして紹介します。
ジオテクノロジーズ、GPS位置情報の補正サービス「マップマッチングAPI」を提供開始
ジオテクノロジーズ株式会社は7月7日、GPS機器の位置情報を補正するサービス「マップマッチングAPI」を、法人向け地図クラウドサービス「MapFan API」の新機能として提供開始しました。
マップマッチングAPIは、GPS機器で取得した誤差を含む位置情報を日本全国の道路データベースにあわせて補正し、道路名称や最高速度などの属性情報を配信するクラウドサービスです。
位置情報を道路ネットワークデータにマッチングさせることにより、実際に走行したと思われる道路上の位置情報に補正することが可能で、配送管理者が各車両の正確な位置をリアルタイムに把握することが可能となります。また、道路名称や最高速度の情報も取得できるため、緯度・経度情報だけではできなかった道路名称による通行道路の把握や速度超過などの危険運転走行も把握できます。
1回のAPIリクエストで1000件の緯度経度を補正可能なため、リクエスト数を少なく抑えることが可能です。2023年11月には、一時停止規制など新たな属性情報の提供も予定しています。
技研商事、ジオターゲティング広告配信サービス「MarketAnalyzer Ads Digital」ベータ版を提供開始
技研商事インターナショナル株式会社は、ジオターゲティング広告配信サービス「MarketAnalyzer Ads Digital」のベータ版を8月1日に提供開始すると発表しました。限定10社を対象にベータ版のテストキャンペーンも開始します。
同サービスは、同社が提供する商圏分析GIS「MarketAnalyzer 5」で分析した販促最適エリアをそのまま広告配信エリアとして町丁目単位で指定し、広告運用から効果測定まで一気通貫で実施できるサービスです。
フランスのグローバルアドエージェンシーであり、アドテクノロジー企業でもあるMEDIAKEYS GROUP(日本法人:MEDIAKEYS JAPAN株式会社)と提携し、リアルタイム配信を特徴とした「プログラマティック広告(DSP)」運用が可能な広告配信プラットフォームを提供します。
デモグラフィックやオルタナティブデータ、位置情報、配信メディアカテゴリーなどのデータを活用したエリア分析が可能で、町丁目リストを出力して広告配信先として指定できます。ユーザー管理やキャンペーン作成、マルチ配信、バナー制作(ダイナミッククリエイティブ)、ヒートマップで確認・把握できるリアルタイムレポートなどの機能も利用できます。
指定エリア以外での広告出稿は発生しない仕組みで、指定エリアに今いる人にだけ限定して配信することも可能です。国内外の主要SSPと接続してウェブメディアやアプリを問わず豊富な配信面を持っており、同時にIABカテゴリーでメディアジャンルの絞り込みも行えます。また、ホワイトリスト配信やブラックリスト配信にも対応しています。
天地人、水域の変化を表すデータから土地を評価できる「天地人コンパス WaterWatch α」を無料で提供開始
https://geo-news.jp/archives/6251
株式会社天地人は7月24日、水域の変化を表すデータから土地を評価できるWebGISサービス「天地人コンパス WaterWatch α」を提供開始しました。アカウント登録は不要で、無料で利用できます。
同サービスは、衛星データを活用して過去の水位情報を取得し、指定した水域の時系列の水域面積割合の変化を表示することが可能で、表示されたグラフのプロット上を選択すると、ほぼタイムラグ無しで日付と面積割合、そのときの水域面積の画像が表示され、基準となる水域面積とどのくらい異なるかを判断できます。
衛星データで得られる水位情報を活用することで、ダムからの水の放出量の判断に役立ち、ダム管理会社の人手不足解消やリモート管理推進に貢献することが期待されます。
また、過去の水量を解析することで天候によって左右される水量の予測が可能になると期待されており、この技術を活用することによって、洪水で危険になる場所を把握するためのハザードマップや、船が航行できる水量があるかを確認するシステム、農業や浄水場での水質管理などに活用することが可能となります。
ウェザーニュース、「熱中症レーダー」の6時間先までの予報を無料化
株式会社ウェザーニューズは7月11日、天気アプリ「ウェザーニュース」で提供している「熱中症レーダー」の6時間先までの予報を無料化したと発表しました。
熱中症レーダーは24時間先までの熱中症リスクを250mメッシュの超高解像度でマップ上に表示する機能で、“注意”から“非常に危険”まで5段階で色分けすることで熱中症リスクをひと目で把握できます。環境省と気象庁が発表する「熱中症警戒アラート」は都道府県単位での発表ですが、熱中症レーダーでは250mメッシュで非常に細かく確認できます。
同機能は、最下部の「レーダー」アイコンをタップして「熱中症」を選択することで利用できます。マップを拡大/縮小することで自宅や外出先、勤務先だけでなく移動ルートの熱中症リスクも簡単に確認できます。
一般的に熱中症危険度のランク分けは全国一律ですが、ウェザーニューズは熱中症患者搬送者数と暑さ指数(WBGT)との関係を分析し、時期・エリアによる熱中症の発生傾向を考慮した独自の熱中症危険度を出しています。
ナビタイム、3D地図上に花火をアニメーションで表示する「3D花火マップ」を提供開始
株式会社ナビタイムジャパンは7月26日、3D地図上に花火を描画する「3D花火マップ」をウェブ版の「NAVITIME」にて提供開始しました。
3D花火マップは花火大会が行われる地点にアニメーションで立体的に花火を表示する機能で、各地の花火大会の実施状況をひと目で確認できます。花火の表現にはGPGPUの技術を活用し、リアルでなめらかな花火の描画を追求しました。
花火が表示されている箇所には吹き出しで花火大会名と開催時期を表示し、吹き出しをタップすると大会詳細を確認したり、開催地までのルート検索を行ったりすることができます。大会詳細画面は旅行支援サービス「NAVITIME Travel」に連携しており、会場周辺のホテルや駐車場、会場エリアまでの各交通機関の予約を行えます。
記事協力:GeoNews