月刊グラフィア 2023年4月号

2023年3月の位置情報ニュースまとめ

地図と位置情報を中心としたニュースサイト「GeoNews」の協力を受けて、2023年3月に掲載したニュースの中から厳選した5つの話題をピックアップして紹介します。

国土地理院、「だいち2号」の衛星データによる地表の変動分布図を公開
国土地理院、「だいち2号」の衛星データによる地表の変動分布図を公開

国土地理院、「だいち2号」の衛星データによる地表の変動分布図を公開

国土地理院は3月28日、宇宙航空研究開発機構(JAXA)が運用する人工衛星「だいち2号(ALOS-2)」のデータを活用した全国の地表の変動分布図を、ウェブ地図サービス「地理院地図」にて公開しました。

この変動分布図は、「だいち2号」が8年間かけて取得したSAR(合成開口レーダー)の観測データをもとに作成した多数の「SAR干渉画像」を統計的に処理することにより、微少な地表の動きとその時間変化を捉える「干渉SAR時系列解析」の解析結果をまとめたもので、火山活動や地盤沈下などによる地表の変動の広がりを確認できます。

閲覧方法は、地理院地図にアクセスして、[地図の種類]メニューから[トップ]>[基準点・地磁気・地殻変動]>[干渉SAR]>[時系列解析]>[全国]を選択し、表示させたい解析結果を選択すると、地図上に干渉SAR時系列解析で得られた変位速度が表示されます。

この変動情報は、測量の基準の維持管理や、地盤沈下調査などの空間分解能の向上につながるため、国土地理院は変動情報を用いた測量マニュアルの整備などにより利用拡大を進めていく方針で、今後も新規の観測データを含めて解析を行うことにより変動分布図を更新していく予定です。

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サイクルコンパスアプリ「U-ROUTE」、自転車ポイ活アプリにリニューアル


サイクルコンパスアプリ「U-ROUTE」、自転車ポイ活アプリにリニューアル

株式会社ONE COMPATH(ワン・コンパス)は3月9日、同社が提供するiOS向けサイクルコンパスアプリ「U-ROUTE(ユールート)」を自転車ポイ活アプリへとリニューアルしました。

これまで同アプリは、目的地の方向と距離だけを示し、ルート指示を行わないサイクルコンパスアプリとして提供されていたが、今回のリニューアルにより、自転車で移動することで距離に応じてコインが貯まる新機能が追加されました。

コインは移動時だけでなく、「目的地にゴールする」「マイスポットを登録する」などのミッション達成時や、走行中に拾える「ガチャチケット」を10枚集めてガチャを回すことでも入手できます。

貯まったコインは楽天ポイントと交換することが可能で、楽天グループ株式会社が提供するアプリ向けサービス「楽天リワード」と連携し、100コインにつき楽天ポイントを1ポイント獲得できます(1000コインから交換可能)。

なお、目的地や経由地を設定して目的地の方向と距離だけを知らせるサイクルコンパスや、走行したルートを記録できるルートログ機能など従来の機能も引き続き利用できます。また、新規ユーザーを1人招待するたびに、招待する人・された人両方に5000コインをプレゼントする友達招待機能(1人につき5人まで)も搭載しています。

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マップマーケティング、地図システム開発支援用Web APIにて登記所備付地図データを提供開始

マップマーケティング、地図システム開発支援用Web APIにて登記所備付地図データを提供開始

マップマーケティング株式会社は、地図システム開発支援用Web API「TerraMap API」にて、法務省が公開した登記所備付地図データの無償トライアル提供を3月中旬に開始すると発表しました。

登記所備付地図データは地図XML形式で提供されており、利用にはデータ加工作業が必要となるため、マップマーケティングはTerraMap APIを利用したデータ配信を行うことで、より多くのユーザーが登記所備付地図データを簡単に利用できることを目指しています。なお、今回は公共座標系の地図データのみの配信となります。

TerraMap APIを通して登記所備付地図データのポリゴンや属性情報を取得することができるほか、任意エリアを指定してエリア内の登記所備付地図データを取得できます。これにより、デベロッパーや商業施設の管理を行う不動産業界や、遺産相続などで登記データの確認が必要な金融業界などでシステムを通じてサービスを提供する事業者は、自社でデータの整備を行うことなくシステム開発が可能となります。また、オープンデータや自社データと組み合わせることにより、用途に合わせたシステム構築も行えます。

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不動産テック協会とジオロニア、「不動産オープンID」のホワイトペーパーを公開

不動産テック協会とジオロニア、「不動産オープンID」のホワイトペーパーを公開

一般社団法人不動産テック協会と株式会社Geolonia(ジオロニア)は3月27日、不動産情報の共有を容易にするためのID「不動産オープンID」に関するホワイトペーパーを無料で公開しました。不動産テック協会のウェブサイトからダウンロードできます。

このホワイトペーパーは、不動産情報を活用したサービス連携をスムーズにするためのソリューション「不動産オープンID」について過去3年間の開発状況をまとめた文書で、不動産業界におけるIDの重要性や、不動産オープンIDの利用方法について詳しく解説しています。

また、日本の住所制度の歴史や、その課題について解説するとともに、現在の住所制度の課題や、不動産に固有のIDを付けることの重要性、不動産オープンIDの利用法などについて知ることができます。

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ゼンリンデータコム、住宅地図を搭載したナビアプリ「ゼンリン地図ナビ」を提供開始

ゼンリンデータコム、住宅地図を搭載したナビアプリ「ゼンリン地図ナビ」を提供開始

株式会社ゼンリンデータコムは3月1日、iOS/Android向け地図・ナビゲーションアプリ「ゼンリン地図ナビ」を提供開始しました。価格は月額330円(税込)。

同アプリは、同社が株式会社NTTドコモと協業で提供していた「ドコモ地図ナビ」の名称変更をして引き継いだサービスで、徒歩でのARナビゲーションやゼンリン地図を活用したナビゲーション、大型車規制回避ルート案内などの機能を搭載しています。また、住宅地図も搭載しており、月に10回まで利用できます。

同社は提供開始にあたって、新規で「ゼンリン地図ナビ」に申し込んだ人全員にdポイント500ポイント(期間・用途限定)をプレゼントする“ゼンリン地図ナビ開始キャンペーン”を実施中です。

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記事協力:GeoNews

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