42団体が出展、4年ぶりのリアル開催となった「ジオ展2023」レポート

地図・位置情報関連の展示会「ジオ展2023」が4月23日、東京・港区のWeWork 城山トラストタワーにて開催されました。ジオ展は2016年11月に第1回が開催され、今回で8回目となります。

ジオ展2023

出展者数は過去最高となる42団体で、地図データのプロバイダーや地図開発プラットフォームの提供会社、地図・位置情報ソリューションやGISの提供会社などをはじめ大学の研究室やコミュニティまで幅広い企業や組織が参加しました。

会場の様子

ジオ展はコロナ禍のため2020年~2022年はオンライン開催となっていましたが、今年は4年ぶりにリアル会場での開催となり、展示会場には過去最高となる852人の来場者が訪れました。また、展示会場に隣接したプレゼン会場では、30の企業・団体によるプレゼンテーションが行われ、地理空間情報に関連した取り組みや技術、サービスなどを紹介するとともに、採用情報なども紹介しました。

プレゼン会場

今回は、42の出展団体の中からピックアップした15の展示ブースを紹介します。

缶バッジやクリーナークロスなどのジオグッズが当たる「ジオガチャ」

青山学院大学 古橋研究室は、「デジタルとアナログの融合」をコンセプトに、地理空間情報に関連したさまざまなデザインの缶バッジや、地図が描かれたクリーナークロスが当たる「ジオガチャ」を設置し、訪れた多くの人がガチャを引いていました。

高さ方向を計測可能な高精度の3次元屋内測位技術

POC-DC株式会社は、水平方向だけでなく高さ方向も計測できる独自の高精度3次元屋内測位技術を活用した位置情報プラットフォーム「add3」のデモンストレーション動画や専用端末などを展示していました。

LiDARとSLAMを活用した3次元マッピングソリューション

バイトム株式会社(Vitom)は、LiDARセンサーを搭載した3次元スキャナーやSLAM(Simultaneous Localization and Mapping)アルゴリズムを採用した3次元マッピングソリューション「Vitom Scanners」、同技術を活用した監視システム「Vitom Owl」などを紹介していました。

地図データの軽量化・最適化を施した「最適化ベクトルタイル」

国土地理院は、これまで試験提供してきた地理院ベクトルタイルの課題を踏まえてタイルデータの軽量化・最適化などの改良を施した「最適化ベクトルタイル」を紹介していました。

GISを美しく魅せるゲームエンジンプラグイン「SuperMap Hi-Fi 3D SDK」

日本スーパーマップ株式会社は、「使える」だけでなく、見栄えも気にして「美しく魅せる」ことにも注力したGISのゲームエンジンプラグイン「SuperMap Hi-Fi 3D SDK」のデモンストレーション動画などを展示していました。

1日に10億件以上の位置情報を元にした高密度な行動データ

ジオテクノロジーズ株式会社は、1日に10億件以上の膨大なスマホ位置情報をもとにした高密度な人流データや、通行量を道路単位・道路形状付きで配信する「道路通行量クラウド」などを紹介していました。

3D地形模型に様々な情報を投影するプロジェクションマッピング

株式会社ニシムラ精密地形模型は、ゼンリンの3D地図データを使った都市の3D地形模型に映像を投影するプロジェクションマッピングや、テレビ番組「ブラタモリ」に登場した地形模型、立体はがきなどを展示していました。

店舗検索システムや位置情報管理プラットフォームなどを紹介

株式会社ゴーガは、Google Maps Platformのほか、同社が提供するソリューションとして、店舗検索システム「GOGA Store Locator」や動態管理システム「ugomeki(うごめき)」、位置情報管理プラットフォーム「マピネス」などを紹介していました。

オリジナルグッズなどが当たるアンケートを実施

株式会社MIERUNEは、同社の取り組みを紹介するデモンストレーション動画などを展示したほか、オリジナルグッズなどが当たるアンケートを実施していました。

都内の鉄道の動きを再現した「Mini Tokyo 3D」などを紹介

マップボックス・ジャパン合同会社は、同社の地図開発プラットフォームを活用して都内の鉄道の動きを3D地図上に再現した「Mini Tokyo 3D」のデモンストレーション動画のほか、同社が提供する各種サービスやその活用事例を紹介していました。

ジオが好きな人たちによる同人誌やグッズを販売

地図・地理・地形を好きな人たちが集まるグループ「地図ラーの会」は、同会が制作した同人誌やイラストマップ、缶バッジなどのグッズを販売するとともに、同人誌での作品発表に興味のある人を募集していました。

フリーの地図ナビゲーションアプリなどを紹介

HERE Japan株式会社は、同社が提供するグローバルな地図・位置情報サービスや、フリーのモバイル地図ナビゲーションアプリ「HERE WeGo」などを紹介していました。

地理系女子のメンバーを募集

地図・測量・地理分野で活躍する女性を増やすことなどを目的とした草の根の組織「地理系女子フォーラム」は、同組織の取り組みなどを紹介し、メンバーを募集するとともに、VRで楽しく地理を学べる「VRナゾトキラボ北海道編」などを展示していました。

位置情報マーケティング・サービスのカオスマップなどを紹介

位置情報によるマーケティングやサービスの促進を目的とした事業者団体「LBMA Japan」は、同団体の取り組みや、定期的に発表している「位置情報マーケティング・サービス カオスマップ」、プライバシーに配慮した位置情報データの扱いについての認定制度「ロケーションプライバシー認定制度」などを紹介していました。

高松市で採用された都市OSプラットフォーム

株式会社Geoloniaは、同社が提供する地図開発プラットフォーム「Geolonia Maps」や、高松市が提供する「高松市スマートマップ」にも採用された都市OSプラットフォーム「Geolonia Maps for SmartCity」などを紹介しました。

URL

ジオ展 (じおてん, Geo-ten)
https://www.geoten.org/

ジオ専業ライター片岡義明氏が選ぶ「ジオ界 10大ニュース 2023」を発表! – Graphia – 地図や位置情報に特化したWebメディア「graphia(グラフィア)」
https://graphia.jp/article/2023/04/21/745/

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